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【ネタバレあり】わかりにくい映画『メメント』を出来るだけわかりやすく解説

メメント 2000年 ※簡単ネタバレあり

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  • 個人的映画の満足度★★★☆☆
  • 再生時間113分

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あらすじ

ロサンゼルスの保険調査員・レナードは、目の前で妻を殺害されたショックから、10分しか記憶を保てない前向性健忘という記憶障害になってしまう。レナードはポラロイド写真やメモ、全身に彫ったタトゥーを手がかりに、犯人を捜しだそうとするが…。

「メメント」(洋画 / 2000年)の動画視聴・あらすじ | U-NEXT

メメント」とはどんな映画?

難解な映画。一度観ただけでは、よくわからない。時系列と逆行し、一番近い過去から遠い過去に向かって、行きつ戻りつしながらストーリーが展開するため、非常にわかりづらい。作品はカラー映像とモノクロ映像で構成されており、カラー映像で現実に起きたこと、モノクロ映像で過去のことと主人公の妄想を映している。因みに「メメント(memento)」とは記念品という意味だそう。

 

難しい映画「メメント」をわかりやすく解説 ※ネタバレあり

妻をレイプされた夫が主人公。主人公である夫が自宅のバスルームに踏み込むと妻をレイプした犯人が2人いた。犯人の一人は主人公が銃殺したが、もう一人の犯人に頭を殴られて、彼にはレイプ事件前のことは覚えているが、事件後のことが覚えられない記憶障害が残ってしまう。彼の妻は糖尿病を患っている。彼の夫の記憶障害に悩んだ妻は、彼の記憶障害を利用し、自分に数分間で3回インシュリンをさせ、夫に自分を殺害させる。そのつらい事実を受け止められない主人公はこの妻が死んだ経緯を妄想上の人物のものとして記憶し、彼の妻はレイプ犯に殺されたと信じ込み、復讐を誓う。そしてその復讐が彼が生きる目的となってしまう。

 

レイプ事件を担当していた刑事が彼を不憫に思い、もう一人のレイプ犯を探し出し、主人公に復讐を果たさせる。しかし、主人公は記憶障害を患っているため、復讐したこと自体を忘れてしまう。

 

親切だったはずの刑事がそんな彼を利用することを思いつき、電話で彼に情報を吹き込み、麻薬の売人を彼の妻のレイプ犯と信じ込ませて、売人を殺害させ、彼が持っていた20万ドルを奪うことを計画する。刑事の思惑通り、売人を殺害した主人公。そこへ現れた刑事と主人公は言い争いになり、刑事は主人公は既に復讐を果たしていること、その復讐したこと自体を忘れてしまっていること、彼女の妻は主人公が殺してしまったことを彼に告げる。

 

主人公は出会った人物をポラロイドで撮影し、その裏にそれがどんな人物かをメモすることを習慣にしているが、彼が妻を殺してしまい、レイプ犯の復讐が既に終わっている事実を受け入れたくない彼は、刑事のポラロイドの裏に「彼のウソを信じるな」と書き込む。主人公は、殺害した売人の服を着て、彼のジャガーに乗り込み、売人の恋人のところへ向かう。売人の恋人も最初は親切な人を装うも、彼女も主人公を利用することを思いつく。

 

売人の恋人は主人公を煽り、自分を殴らせて、顔に傷を作る。彼がそれを忘れた頃を見計らって、顔の傷は自分と自分の恋人を脅していた男にやられた、彼を片づけてほしいと主人公に頼む。主人公は相手を殺しはしなかったものの、彼女を脅したと言う相手を痛めつけ、彼女の元に戻る。主人公は自分の体じゅうにレイプ犯の犯人の情報をタトゥーで彫っている。その中に車のナンバーが彫られていることを知った彼女は、その持ち主を調べてあげると言い、のちに車の持ち主が刑事であることを主人公に知らせてしまう。そして主人公は刑事を自分の妻を殺害したレイプ犯だと思い込み、刑事を殺害してしまう。

 

不幸な目に遭った男が刑事や麻薬の売人の恋人に利用されて、殺人マシーンにされてしまう話だが、刑事は刑事で売人の恋人に利用されていることを心配し、彼に忠告したり、売人の恋人も会話の中で彼の記憶障害の心配をしたり、忠告をしてみたり…登場人物が悪であっても完全悪でないところが、またストーリーの把握を分かりづらくしている。

 

メメント】最初のシーンについて

メメントの最初のシーンは刑事の死体を映したポラロイド画像から始まる。映像が巻き戻されるように、ポラロイドの表面が徐々に薄れ、ポラロイドカメラ本体から写真が吐き出される画面に戻る。そこからまた巻き戻されて、主人公が刑事を殺害するシーンとなる。「この映画は時系列が逆になってますよー」のお知らせを意味するのか。

 

メメント】ポラロイドについて

記憶障害の主人公レナードが、出会った相手や重要な場所をポラロイドで撮影し、裏にその人がどんな人か、その場所やモノが何なのかをメモしている。

 

メメント】レナードの体に彫られている入れ墨(タトゥー)について

主人公レナードの体に彫られている、レイプ犯の手がかりとなるタトゥー

  • FACT1:男
  • FACT2:白人
  • FACT3:JOHN or JAMES
  • FACT4:G_(苗字)
  • FACT5:麻薬売人
  • FACT6:SG13・・・(テディの車のナンバー)

 

メメント】ことの次第を時系列で並べる 

1.妻のレイプ事件

妻がレイプされる。レナードが駆けつけるが、この時レイプ犯は2人。目出し帽をかぶった1人はレナードが銃で殺害し、もう一人の白いマスクをつけた男にレナードは頭を打ち付けられ、記憶障害になる。警察は犯人は1人とし、もう1人は存在しないと結論づけた。

2.妻を殺害してしまうレナード

妻はレナードの記憶障害に苦悩する。彼女は糖尿病を患っており、レナードの記憶障害を利用して、自分に数分間隔で3本ものインシュリンを打たせ、夫に自分を殺害させる。

3.レナードの復讐

レイプ事件の担当した刑事テディ(本名はジョン・E・ギャメル)はレナードを不憫に思い、もう1人のレイプ犯(ジョン・G)を見つけ出し、レナードに復讐を果たさせる

→レナードの半裸で笑って映っている血が付いたポラロイドはこの時のもの。レナードは新しい記憶を残すことが出来ないので、出会った相手や重要な場所をポラロイドで映し、裏にメモを残すことを習慣にしている。

4.レナードの記憶障害

レナードは復讐を果たしたこと自体を忘れてしまう

5.レナードを利用する刑事

レナードの記憶障害を利用し、刑事のテディは麻薬の売人ジミーを新たなジョン・Gとし、売人が持っている20万ドルを奪うため、レナードに殺害させる。場所は町はずれの廃屋。この時に、テディとレナードは揉め、テディはレナードが既に復讐を果たしていること、そしてそれを忘れてしまっていること、彼の妻はレナードがインシュリンを連続して打ったことで死んだことを告げる。その事実を受け入れたくないレナードは、テディのポラロイドの裏に「彼のウソを信じるな」とメモする。そして、テディを新たな復讐相手ジョン・Gに設定し、足にテディの車のナンバーのタトゥーを彫る。

6.新たなるターゲット殺害への準備

レナードは殺害した麻薬の売人のスーツを奪い、売人のジャガーに乗って現場を立ち去る。ポケットに入っていたバーのコースターの裏に書いてあるナタリーという女性のメッセージを頼りに、彼女を女性を訪ねる。尚、ナタリーはそのコースターのバーで働いている。

7.ナタリー、レナードについて知る

レナードがナタリーが働くバーを訪れた時、ナタリーはテディという男に会いに行った恋人ジミーが行方不明であることは既に知っており、また警察から記憶障害の男の存在を聞かされていた。彼女はレナードに「あなたがテディ?」と尋ねる。レナードは自分はレナードだと答え、自分には記憶障害があることを伝える。ナタリーはレナードの記憶障害が本当か調べるため、カウンターにいた老人にビールの中に唾を入れさせ、またレナードにも同じことをさせる。そして、自分も同様にビールに唾を入れ、しばらくたってから、レナードにそのビールを差し出す。数分前にビールに唾を入れたことを忘れてしまったレナードはそのまま、そのビールを飲んでしまう。その様子を見たナタリーは、レナードの記憶障害が本物であることを確認する。

8.ナタリーの策略

ナタリーはレナードを自宅に連れて行き、レナードの事情を聞く。「しばらくここにいていいわ」と親切にするナタリー。一旦、家を出るがすぐに戻り、部屋にあるペンをすべて回収する。ここからナタリーの芝居が始まる。ナタリーは恋人ジミーがテディという男に会いに行き、大金を持ったまま、そのまま行方不明になり、自分がドッドという男に疑われているとレナードにキレながら話す。そして、ドッドという男を殺してくれとレナードに頼む。その後、レナードの妻を売女呼ばわりして挑発し、レナードに自分を殴らせ、顔に傷を作る。

そして、一旦家を出て、車の中から家の中にいるレナードの様子をうかがうナタリー。ペンはすべて隠されているので、ナタリーとの状況について、レナードはメモすることが出来ない。メモが取れずパニックになるレナードを確認し、また戻って来るナタリー。

しかし、既に自分がナタリーを殴ったことをすっかり忘れているレナード。それを知っているナタリーは「あなたがドッドにテディの話をして来いというから、話をしに行ったらドッドに殴られた」とレナードに嘘を言う。また「自分はジミーのお金もヤクも持っていない。でも、明日までにヤクを持って来なければ殺すとドッドに脅された」とまた、作り話をする。ナタリーに上手く乗せられたレナードは、自分がドッドのところに行き、テディを探せと話をつけてくると言い出す。ナタリーはまたドッドに殴られた恐怖から、レナードの車を教えてしまったと、また作り話をレナードに吹き込み、ドッドの行き先をメモに書き、レナードに渡す。メモを受け取ったレナードはナタリーの家を出る。

9.刑事がレナードに忠告する

ナタリーの家を出て、停めてあったジャガーに乗るとなぜか助手席にテディが乗っていた。この時点でナタリーの家にいたことを忘れているレナード。テディは、ナタリーは麻薬売買の連絡係で、自分がヤバくなったらレナードを利用する、もう関わるなとレナードに告げる。そして、ナタリーのポラロイドに「彼女を信じるな」と書くように言う。レナードは言われた通りメモをするが、テディが去った後、テディのポラロイドの裏に「彼のウソを信じるな」とメモがあることから、テディの忠告を無視して、ナタリーのポラロイドに書いたメモを消してしまう。

10.今度は女に利用されるレナード

ジャガーを運転しているところ、ドッドに追われるレナード。ドッドに車の窓ガラスを割られるものの、どうにか逃げたレナードはナタリーからもらったメモを元に、ドッドが滞在しているモーテルに先回りする。ドッドの部屋に着いたものの、ドッドから追われていることを、既に忘れてしまっているレナードはドッドの部屋でシャワーを浴び始める。そこへ戻って来たドッド。2人はもみ合いになり、レナードは酒瓶でドッドを殴り、ダクトテープで縛り、さるぐつわをしてクローゼットにドッドを隠す。翌朝、目を覚まし、クローゼットの中にいるドッドに驚くレナード。そこにテディが現れ、テディと共にドッドを町はずれまで連れて行き、そこでドッドを解放する。

11.ナタリーの親切心?

ドッドのポラロイドを持って、再びナタリーの家を訪れ、ドッドは何者なのだ?と説明を求めるレナード。私が殴られたから、あなたが力になってくれたのよと優しく説明するナタリー。レナードはナタリーのポラロイドの裏に「彼女も恋人を失い、憐れみで協力してくれている」とメモし、そのままレナードはナタリーの家で一晩を過ごす。翌朝、ナタリーはレナードの足に彫ってある車のナンバーを見て、車検局にいる友達に持ち主を調べてもらうわとレナードに告げ、次に会う約束の場所と時間を書いたメモをレナードに渡す。

12.刑事の忠告

ナタリーの家を出るとまた現れるテディ。一緒にランチをする。そこでテディはレナードが他人にハメられて、人を殺すかも?と、また注意をする。この時、レナードはモーテルのキーがないことに気づく。モーテルに戻り、フロントでキーがないことを告げ、部屋に案内してもらうと、実はレナードはモーテルに騙されて、2つの部屋を使っていることを告げられる(モーテルの部屋を2つ使っていることはストーリー上大きな意味はないと思われる。ナタリーからのメモをレナードに見つけさせるための筋書きか?)。レナードが、ポケットの中のモーテルのポラロイドを探そうとしたところ、ナタリーからもらった約束の日時と場所が書かれたメモを見つける。

13.ナタリーからの情報提供

レナードは、ナタリーに指定されたレストランへ行き、そこで車のナンバーの所有者の情報を渡される。その所有者は、当然テディ。この時、ナタリーはレナードの足に彫られていた車のナンバーの車の持ち主であるジョン・Gがテディであることを突き止めていたのか、町はずれ廃屋の住所をメモしたものも一緒に「役に立つ(殺しに使える)と思う」とレナードに渡す。それらの情報が入った封筒と一緒に、ナタリーはレナードがナタリーの家に忘れて行ったモーテルの鍵もレナードに渡す。

14.次のターゲットを認識

モーテルに戻るレナード。テディのポラロイドに書いてある彼の電話番号に電話し「ジョン・ギャメル(ジョン・G)か?」とたずねる。テディは「テディだ、すぐ行く」と言って電話を切る。自分の体のタトゥーを確認するレナード。体に彫られている6つの事実(テディが事実と思っている事実)、FACT1:男、FACT2:白人、FACT3:JOHN or JAMES FACT4:G_(苗字) FACT5:麻薬売人 FACT6:SG13・・・(テディの車のナンバー)を確認する。これを見て、レナードは「彼が犯人だ」「彼を殺せ」とテディのポラロイドに書き込む。 

15.ターゲットの殺害

モーテルにやってくるテディ。レナードは、テディをジャガーにのせて、ナタリーに指定された廃屋へ連れて行く。そこで、レナードはテディのポラロイドの裏のメモを見て、テディを殺害する。

この『難解さ』は一体何だったのか?

ことの次第を時系列で並べてみると、それほど複雑なストーリーではないことがわかる。これを時間を逆回しにして、何コマかに分け、更にそこへ過去と妄想シーンが入り乱れるモノクロ映像を挿し込むことで、観ている方はパズルを解いているかのような状態に陥る。単純な話をわざわざ分解、切り貼りすることで観る人を惑わせる。惑わせるように作っている作品なので、難解になるのは当たり前。

 

感想

観ている方も非常に疲れる作品。こう、観客側に労力と知力を期待する作品はあまり好きではない。頭使って理解してみたところで、ストーリーは単純だし。個人的にはこの映画の満足度は★★★☆☆(星3つ)。

 

メメント」のキャスト・スタッフ

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