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【映画のあらすじ l 解説 l 考察 l ネタバレ l 感想 l レビュー】

映画『私の中のあなた』姉への腎臓提供を拒否。姉のためのドナーとして作られた妹が起こした裁判の真相とは【ネタバレあり】

私の中のあなた 2009年

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再生時間:109分

登場人物

ケイト
白血病の娘
アナ
ケイトのドナーにするために、人工授精で作れられた子供
ジェシー
ケイトの兄
サラ
ケイトとアナ、ジェシーの母親。元弁護士。ケイトの白血病がわかってからは仕事をやめ、娘の看護に専念
ブライアン
消防士。父親
キャンベル
アナの弁護士

あらすじ・考察
※ネタバレあり

白血病の姉のためにスペアパーツとして作られた妹

幼くして白血病になったケイト。骨髄移植が必要で、腎不全も起こしており、腎臓の移植が必要となった。しかし、両親、兄とも適合せず、移植はできない。

医者から、オフレコとした上でドナー用に弟や妹を作る両親は結構いるよという話を聞く。また医者はドナー用の子供は体外受精で作るため、受精卵の段階でドナーとして適合するか否かを調べることが出来ると言う。

こうしてケイトのためのドナー用として作られた妹アナ。アナは誕生と同時に臍帯血から始まり、白血球、骨髄、リンパ球の提供をさせられた。また幼いころから、肝細胞を増殖させて姉ケイトに提供。

アナの反撃

姉妹の仲はよいが、ある日、アナは移植を拒否するため両親を訴えたいと弁護士事務所に相談に行く。弁護士は彼女を助けるために、彼女の弁護を引き受ける。

まずは母サラの元に「親の干渉を拒み、腎臓提供を含むすべての医療処置を拒否する」との文書が届く。

ケイトの家では家族会議となり、アンナは「腎臓が1つになってチアリーダーやスポーツができる?妊娠できる?私だってパーティやビーチに行きたい。手術を受けたら、一生無理はできない」と両親に主張する。

ケイトの思い

ケイトは入退院を繰り返しながらも、自分の人生を受け入れていた。病院で知り合ったテイラーとは束の間の恋をは楽しみ(テイラーは死亡)、家族にも恵まれた。

ケイトは自分の病気のせいで、母の関心をすべて自分が奪ってしまったことを父、兄妹に申し訳ないと思っている。一方で、全てを犠牲にして、負け戦なのに自分のために戦い続けている母親サラには不満を持っている。

幼い娘と裁判で戦うサラ

アナが起こした訴訟に対し、弁護士資格のあるサラは自分で自分を弁護する。その準備をしているサラにサラの妹ケリーはこう言う。

「最後まであきらめない母親。そういう母親であろうと姉さんは必死になって戦っている。それ以外のものは目に入らない。いつかはそれをやめなきゃ。受け入れるのよ」と。

しかし、サラは聞き入れず、幼い娘アナに真っ向勝負をかける。判事は裁判に入る前にアナの気持ちを確かめた上で、サラの審議却下の要求を退け、裁判に移行する。

裁判での医者たちの証言
・腎臓移植はドナーの精神を高める一方、生きる楽しみを損なう
・医師たちに過失はない。これは難しい問題だ
・結論としては腎臓提供を支持
・この問題の理解は子供には無理
・しかし、何歳か理解できるかについては不明 

専門家である医者たちも、姉妹間の腎臓提供の是非について明確な答えを持っていない。

弁護士のキャンベルは、幼いアナの同意なく、姉ケイトを助けるために医療行為を行ったことをサラに問いただす。

アナのことだけを考えれば「行き過ぎだとは思わないか?」の問いに対し、サラはアナのことだけを考えれば行き過ぎであるし、鬼のような母親であると認めるものの「家族が第一よ!」と主張する。

それに対し、キャンベルは「誰がアナの味方をするんだ?」とサラに質問したが、サラは何も答えられなかった。

サラはアナを証言台に立たせる。サラはアナに「処置を拒否したいのね?」と確認し、アナはイエスと答える。

サラが「あなたは何かをを隠してる」とアナを問い詰めると、傍聴席にいる兄ジェシーが居たたまれなくなり「ぼくが言おう。ケイトは死にたいんだ。ケイトは自分の死を受け入れている!」と発言する。

ことの真相
アナが移植手術をはじめ、すべてのケイトための医療行為を拒否したのはケイト本人がアナに頼んだものだった。

ケイトはアナに「ママは私を切り刻んで、私は植物状態になる。2つの細胞になってもママは私に電気ショックを与えるわ。もうたくさんよ」と言い、アナに「私を自由にしてほしい」と頼む。つまり、アナが移植行為を拒否することで、自分を死なせてほしいということ。アナが裁判を起こしたのは、自分の体のためではなく、死にたいと言うケイトに協力するためだったのだ。

判事は裁定を下す前に、ケイトに会わせてほしいと言い、ケイトの病室を訪れる。ケイトと話をし、立ち去る判事。

その日の夜、ケイトの病室には家族と親戚が集まった。親戚が帰り、家族が残ったところで、ケイトは今夜はママと2人だけにしてと言って、皆を帰らせる。

ケイトはサラに自分が作ったサラのスクラップブックを渡し「いい人生だったわ。悲しまないで、ママは大丈夫よ」とサラを抱きしめる。泣きだすサラ。そして、その夜ケイトは亡くなった。

数日後、弁護士キャンベルがアナ勝訴の判決文を持って、アナの元を訪れる。キャンベルは「今後、また僕が必要になったら連絡して」とアナに言う。

個人的評価

映画の満足度★★★★☆

感想・レビュー 

病気の子供のために暴走する母親と、現実に対して冷静な子供。サラの妹ケリーが指摘するように、サラが戦っているのはケイトのためというより「最後まであきらめない母親」を やり続けるためだったのだろう。ありがちと言えば、ありがちな話。

しかし、姉に腎臓やら骨髄液を提供するために、人工授精で作られた子供というのもあまりに悲しい。

生まれてからも、幼い頃から注射されたり、骨髄液を抜かれたり…物心がついてからは、イヤだとも言えない空気の中、腎臓を1つ姉に提供しろと言われる。仮に拒否でもしようものなら、人でなし扱いを受けることは容易に想像できる。

病気の子供かわいそう→私が頑張らなきゃ→暴走→他人の助言は無視→他の兄弟は病気の子供の犠牲になって当たり前、だって病気の子はかわいそうな子なんだから!の思考で、同情されるべき対象である母親の、病気を理由にした他者への加害行為は、当然許されるべきものではないが、周りがそれを指摘しづらい空気もあり、幼い子供が本人の意志に反して、ただただ搾取される現実はたくさんあるんだろうなと思うと辛い。

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私の中のあなた
解説

白血病の姉・ケイトを救うために、ドナーとして作られて産まれた11歳の妹アナは、ある日突然、「自分の体のことは自分で決める」と臓器提供を強いる両親を相手に訴訟を起こすが、その裏にはある思いが隠されていた……。ジョディ・ピコーのベストセラーを、「きみに読む物語」のニック・カサベテス監督が映画化。主演は自身初の母親役となったキャメロン・ディアス、アナ役に「リトル・ミス・サンシャイン」のアビゲイル・ブレスリン

私の中のあなた : 作品情報 - 映画.com

キャスト・スタッフ
ニック・カサヴェテス監督
作品一覧

1996年 ミルドレッド
1997年 シーズ・ソー・ラヴリー
2001年 ブロウ
2002年 ジョンQ
2004年 きみに読む物語
2006年 アルファ・ドッグ 破滅へのカウントダウン
2009年 私の中のあなた
2012年 イエロー
2014年 ダメ男に復讐する方法

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