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【映画のあらすじ l 解説 l 考察 l ネタバレ l 感想 l レビュー】

実在した殺人鬼カップルをモデルにした映画『ロンリーハート』はリアリティに欠ける【ネタバレあり】

ロンリーハート 2006年

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再生時間:107分

ロンリーハート
解説

 1940年代のアメリカで20人以上の女性を殺害した、凶悪カップルを追う刑事の奔走を描くクライム・サスペンス。当時のアメリカを震撼(しんかん)させた“ロンリーハート”事件をモチーフに、脚本家としても有名なトッド・ロビンソン監督が映画化した。事件を執拗に捜査するエルマー・C・ロビンソン刑事に、『ヘアスプレー』のジョン・トラヴォルタ。ロビンソン刑事の実際の孫にあたる監督によるリアルな取材源と刑事の視点から再構成したドラマは必見。

解説・あらすじ - ロンリーハート - 作品 - Yahoo!映画

 

キャスト・スタッフ

 

ロンリーハート
あらすじ

結婚詐欺師と彼を異様に愛した女が詐欺と殺人を繰り返す、実話にもとづくサスペンス
レイモンドは未亡人や未婚女性から財産をだまし取る結婚詐欺師。ある日、彼の勘違いからマーサと出会い、程なくして彼女も詐欺の片棒を担ぐようになる。やがて財産を奪うだけでは物足りなくなった彼らは、かもを殺すことで互いの愛を確かめあうようになり…。 

結婚詐欺師と彼を異様に愛した女が詐欺と殺人を繰り返す、実話にもとづくサスペンス
レイモンドは未亡人や未婚女性から財産をだまし取る結婚詐欺師。ある日、彼の勘違いからマーサと出会い、程なくして彼女も詐欺の片棒を担ぐようになる。やがて財産を奪うだけでは物足りなくなった彼らは、かもを殺すことで互いの愛を確かめあうようになり…。

「ロンリーハート」(洋画 / 2006年)の動画視聴・あらすじ | U-NEXT

原題「lonely hearts」の意味

意味は「恋人を求めている人」。

しかし、この映画では「ロンリーハーツ」という恋人募集の広告を見て、殺人鬼の2人が知り合い、また犠牲者となる女性もこの広告を利用して見つけたため、原題にある「lonely hearts」はこの恋人募集広告のことを指している。

また、この映画のモデルとなった実在した殺人鬼カップルもこの恋人募集広告を利用していたため、彼らは「ロンリーハーツキラーズ」と呼ばれている。

ストーリー・考察
※ネタバレあり

レイ(ジャレッド・レト
レイは結婚詐欺師。新聞で死亡欄や恋人募集の記事をチェックして、夫が戦死した未亡人や中年女性を探し文通。さりげなく相手の財産状況を聞き出し、資産がありそうなら近づき結婚詐欺を働いている。カツラを着用している。

マーサ(サルマ・ハエック
レイと恋人募集で出会う。マーサはレイに一目ぼれし、出会ってすぐにホテルへ。マーサはレイが詐欺師であることを見抜いており、レイが部屋を立ち去った後、レイが新聞の死亡欄を見て、葬儀会場に行ったことを突き止め、後を追う。

遺族との接触に失敗し、殴られているレイを見つけ、上手くその場を取り繕ってレイを助け出す。ここから2人のコンビが結成される。

パティの自殺
ニューヨーク州にて。25歳の若く美しい女性がバスタブで手首を切って死んでいた。彼女も夫が戦死した未亡人で給付金が下りている。最初、警察は自殺とするが、ロビンソン刑事(ジョン・トラヴォルタ)は殺人を疑う。

しかし、遺書が残されており、自殺だったことがわかるだが、その遺書にはパティが買い物から自宅に戻ると、恋人が彼の妹とテーブルの上でセックスをしていており、彼女はテーブルを洗い、その後自殺した旨が書かれていた。検死の結果、彼女は妊娠していた。

ジャネットの殺害
ニューヨーク州にて。ジャネット(アリス・クリーグ)は53歳。レイと婚約し、個人口座を解約しレイと共同口座を開く。彼女の夫も戦死しており、給付金が下りている。

レイと彼の妹を名乗るマーサは、明日結婚式をすると言って、ジャネットを空港近くの貸家に連れて行く。ジャネットと険悪になるマーサ。

夜、レイとジャネットがセックスしているところに、嫉妬したマーサが乗り込み、ジャネットの頭をトンカチで殴る。床に血を流して倒れるジャネット。ベッドの上でいちゃつくレイとマーサ。床で倒れているジャネットにはまだ息があったが、レイが首を絞めて殺害する。

レイにたどり着く警察
ジャネットが行方不明になり、ジャネットの娘が警察署にやって来てレイが怪しいと話す。レイを調べ始めるロビンソン刑事。レイは過去に窃盗、侵入、重婚の罪で服役していたことがあった。

ジャネットがレイと手紙のやりとりをしていた住所は私書箱になっており、ロビンソン刑事たちが私書箱を調べると、そこに電気料金の請求書があった。電力会社に登録されている氏名から、レイとマーサが借りていた貸家(ジャネットの殺害現場)を突き止める。

刑事たちが貸家に行くと、床に血の痕があった。しかし、その頃、レイとマーサは車を買い替え、ミシガン州に向かっていた。

デルフィンを殺害
ミシガン州にて。レイは文通で知り合ったデルフィンとその娘の家を訪ねる。レイが買い出しに行っている間に、マーサはデルフィンが妊娠していることを知る。

デルフィンはレイの話に嘘があることはわかっていたけど、1人で子供を育てられないから、それも見逃すようにしていたら、そのうち本気で彼を好きになったとマーサに話す。マーサはデルフィンに大量の睡眠薬を飲ませる。

デルフィンがもうろうとしているところに、レイが戻ってくる。マーサは自分が知らない間にデルフィンを妊娠させていたレイを責める。大量の睡眠薬を飲まされ、瀕死のデルフィンの前でマーサはレイに「私を愛してる証拠を見せてよ」と詰め寄り、レイはデルフィンを銃で撃つ。

警察官を殺害
デルフィンを埋めるため、レイが石灰を買いに出たところ、途中でレイは警官に車を止められる。そして、レイは警官を殺害。この事件により、ロビンソン刑事はレイにたどり着き、ロビンソン刑事たちはニューヨーク州からミシガン州にやって来る。

デルフィンの娘を殺害
残されたデルフィンの娘に三輪車や犬を与えて機嫌を取るマーサ。あなたをずっと愛していくと娘に話すが、娘は「大嫌いよ」と言ってマーサに噛みつく。マーサは娘をたらいのつけて溺死させ、三輪車が入っている木箱に娘の死体を入れる。

レイとマーサの逮捕
レイとマーサ2人でデルフィンの家を出る準備をしているところに、ロビンソン刑事ら警察がやって来て、2人を逮捕する。

レイとマーサは死刑に
殺人3件、他20件の罪でレイとマーサは死刑になる。

取り調べ中にマーサがロビンソン刑事に言ったこと
彼は私のものだから。私だけのものだから。彼は最高よ。ロマンティックで。

似合うのは私だけ。他の何ものも私たちを邪魔することはできない。

彼は私のために人殺をした。それほど私のことを愛していた。他の理由でそこまでする?あなたはそれほど愛されたことある?人殺しをするほどに。

個人的評価

映画の満足度★★☆☆☆

感想・レビュー

モデルとなった実際の事件の犯人たちはハゲとおデブカップル。映画は美男美女なので、かなり印象が違ってくるが、映画は映画として観ていることはできる。美男美女の猟奇殺人はちょっと説得力が弱い。とはいえ、ハゲとおデブの役者で映画にはできないだろうから、こうなったのだろうと理解。

映画の中の殺人のいきさつは実際に起きた殺人とは多少異なっている。実際の事件の犯人たちの話を読んでいたら、木嶋佳苗を思い出した。

video.unext.jp

モデルとなった事件について

レイとマーサについて

レイモンド・マルティネス・フェルナンデス(Raymond Martinez Fernandez, 1914年12月17日 - 1951年3月8日)とマーサ・ジュレ・ベック(Martha Jule Beck, 1920年5月6日 - 1951年3月8日)は、アメリカの連続殺人犯のカップルである。

彼らは1つの殺人で有罪判決を受け、さらに2つの殺人を犯したことが知られており、1947年から1949年の間に20人もの犠牲者を殺害した疑いが持たれています。

1949年に連続殺人の容疑で逮捕され、裁判にかけられた後、彼らは「ロンリーハーツ」の広告を通して、犠牲者となった女性たちと出会うことから、「ロンリーハーツキラーズ」として知られるようになった。この事件を題材にした映画やテレビ番組は多数。

Raymond Fernandez and Martha Beck - Wikipedia

実際のレイとマーサ

実際のレイとマーサの顔写真→Wikipedia

映画とはだいぶ違うタイプの2人。美男美女だと怪しまれて結婚詐欺も難しいだろうが、このくらいくたびれたハゲのおっさんなら、相手の女性もまさか結婚詐欺師だとは思わなかっただろう。

マーサにしても、映画の中でサルマ・ハエック演じるマーサがレイの妹と名乗っても、「いやいや、どう見ても妹じゃないだろ」と思うけど、本物のマーサを見ると、彼女なら妹と紹介されても何ら疑いは持たないかも。 

レイの生い立ち

レイモンド・マルティネス・フェルナンデスは1914年12月17日、ハワイでスペイン人の両親のもとに生まれた。その後まもなくコネチカット州ブリッジポートに移住。

10代の頃、彼はスペインの叔父の農場で働き、20歳の時にスペインの地元の女性エンカルナシオン・ロブレス(Encarnación Robles)と結婚し、4人の子供をもうけたが、後に全員を見捨てた。

第二次世界大戦中、スペインの商船、その後イギリスの諜報部に勤務した後、フェルナンデスは仕事を探す。

アメリカ行きの船に乗って程なく、鉄製のハッチが落下し、フェルナンデスは頭蓋骨を骨折し、前頭葉を損傷。 退院後、フェルナンデスは衣服を盗んで1年間投獄されたが、その間に同房者は彼をブードゥー教に改宗し、黒魔術に傾倒するようになる。後に彼は黒魔術が女性を魅了する力を与えてくれると主張。

Raymond Fernandez and Martha Beck - Wikipedia

マーサの生い立ち

マーサ・ベックは1920年5月6日、フロリダ州ミルトンでマーサ・ジュレ・シーブルック(Martha Jule Seabrook)として生まれた。のちの彼女の裁判では、彼女は彼女の兄弟にレイプされたと主張。また、彼女が彼女の身に起こったことを母親に訴えた時、母親はマーサに責任があると言い、彼女を殴ったとマーサは主張した。

そして、マーサは10代で家出。1978年に作家のトルーマン・カポーティは、彼も10歳の時に短期間だけ彼女に関わったことがあると語っている。

マーサは学校を卒業後、看護学を学んだが、彼女の体重が原因で仕事を見つけるのに苦労した。最初は葬儀屋の助手になり、女性の遺体を埋葬するための準備をする仕事をしていた。

その後、マーサは仕事を辞めてカリフォルニアに移り、陸軍病院で看護師として働いた。彼女は乱れた性生活を送り、やがて妊娠。彼女は彼女と結婚するよう男を説得したが、彼は拒否。独身のまま妊娠した彼女はフロリダに戻った。

マーサは、自分は結婚しており子供の父親は軍人で、太平洋戦争で戦死したと周囲に話した。町は彼女の死を悼み、その話は地元の新聞に掲載された。

娘が生まれて間もなく、彼女はペンサコーラのバス運転手アルフレッド・ベックという男の子を再び妊娠、彼らはすぐに結婚したが、その半年後に離婚。その後、彼女は息子を出産した。

失業し、2人の幼い子供を持つシングルマザーだったベックは、恋愛雑誌や小説を買ったり、恋愛映画を見たりして、ファンタジーの世界に逃避した。1946年、彼女はペンサコーラ小児病院に就職。彼女は1947年に「ロンリーハーツ」に広告を出し、レイモンド・フェルナンデスとやり取りが始まった。

殺人について

フェルナンデスはベックを訪ねて短期間滞在。彼女はフェルナンデスと結婚するつもりだと皆に伝えた。彼女が住んでいたフロリダ州ミルトンで準備をしている間に、フェルナンデスはニューヨークに戻ってしまう。

彼女は突然仕事を解雇されると、彼女は荷造りをしてニューヨークの彼の家に行く。フェルナンデスは、彼女が彼の気まぐれに付き合ってくれるのを喜び、彼女が自分の子供たちを残してきたことを知り、それを無条件の愛の証だと考えた。

彼は自分の犯罪行為をベックに告白。そして、ベックはすぐにフェルナンデスを助けるために、彼女の子供たちを救世軍に預けてしまった。

彼女がフェルナンデスの妹のふりをすることで、被害者の女性たちはフェルナンデスに安心感を持った。被害者たちは、家の中にもう一人女性がいることで安心し、フェルナンデスの家に泊まることに同意することが多かった。

ベックはまた、何人かの被害者には彼女が一人暮らしをしていて、彼女の "兄 "はたまたま家に泊っているだけのように装っていた。

ベックは非常に嫉妬深く、フェルナンデスと彼のフィアンセの関係が確固たるものにならないよう、あらゆる手段を尽くした。彼が女性とセックスをしたとき、ベックは2人に暴力をふるった。

1949年、2人は後に有罪判決を受ける3人の殺害を行った。ジャネット・フェイ(66歳)はフェルナンデスと婚約し、彼のロングアイランドのアパートに滞在していた。ベックはフェイがフェルナンデスとベッドで一緒にいるところを捕まえると、ベックはフェイの頭をハンマー殴った。フェルナンデスはその後、フェイを絞殺。フェイが姿を消したことでフェイの家族は不審に思うが、フェルナンデスとベックは逃走。

ベックとフェルナンデスはグランドラピッズ郊外の、ミシガン州ワイオミングタウンシップのバイロンセンターロードに移動し、そこで28歳の未亡人で2歳の娘がいるデルフィン・ダウニングと知り合い、彼女の家に泊まった。

2月28日、ダウニングは激昂し、フェルナンデスは彼女を落ち着かせるために睡眠薬を飲ませた。娘はダウニングの昏睡状態を目撃して泣き出し、ベックを激怒させた。

パニックに陥ったベックはその子の首を絞めたが、殺すことはなかった。フェルナンデスはダウニングが目を覚まして、娘の痣を見たら不審に思うだろうと考え、意識不明のダウニングを射殺。

2人はその後、ダウニングの家に数日間滞在。娘の泣き声に再び激怒したベックは、娘を水の入ったたらいに入れ溺死させた。遺体は地下室に埋めたが、不審に思った隣人がダウニング親子の失踪を警察に通報し、1949年3月1日に警察がダウニング家に到着し、ベックとフェルナンデスを逮捕した。

Raymond Fernandez and Martha Beck - Wikipedia

裁判と死刑執行

フェルナンデスはすぐに罪を認めた。しかしその後、2人は容疑がかかっている17人の殺人を強く否定。フェルナンデスは最初の供述はベックを守るためだったと言い、供述を撤回しようとした。

2人の裁判は、2人の異常な関係性により世間を驚かせた。新聞記者はベックの外見を嘲笑し、彼女は責任者に抗議の手紙を書いた。フェルナンデスとベックはジャネット・フェイの殺人事件で有罪判決を受け、死刑判決。二人は1951年3月8日に死刑が執行された。

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