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【映画のあらすじ l 解説 l 考察 l ネタバレ l 感想 l レビュー】

映画『リトル・チルドレン』の「小児性愛者だって人間だもの」みたいなのはいかがなものか【ネタバレあり】

リトル・チルドレン 2006年

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再生時間:137分

キャスト・スタッフ
登場人物

サラ
主婦。夫の収入は良いが、夫婦仲は冷めきっている。娘ルーシーがいる。

ブラッド
専業主夫。司法試験の勉強をしている。バリキャリの妻キャシーと息子アーロンがいる。

キャシー
ブラッドの妻。ドキュメンタリー制作者。夫を養っている。

ロニー
小児性愛者。48歳。性犯罪事件を起こし2年の服役を終えて、サラとブラッドが住む町に戻って来た。子供が遊ぶ公園等90m以内には入ってはいけないことになっている。年老いた母親と同居。

ラリー
元警官。小児性愛者のロニーを毛嫌いし、彼の家に嫌がらせをしている。ブラッドの友人。

メイ
小児性愛者ロニーの母親。息子を溺愛している。

あらすじ・考察
※ネタバレあり

サラとブラッドの出会い
サラは子供を連れて公園に遊びに行っているが、公園のママ友のくだらない会話にうんざりする毎日。ある日、ママ友たちのあこがれで「プロム・キング」とあだ名をつけているブラッドが公園にやって来る。

ママ友たちは、彼に憧れているだけで、会話を交わしたことはない。ママ友たちはサラに「彼の電話番号を聞けたら5ドル払う」と言って賭けをする。

お互いの子供をブランコに乗せ、言葉を交わすサラとブラッド。ブラッドが帰ろうとすると、サラはブラッドを呼び、ママ友たちと賭けをしていることを打ち明ける。

2人はママ友たちに見せつけるようにハグを交わす。サラが「もっと驚かせてやる?」と言うとブラッドはサラにキスをする。それを見て、大慌てで子供を連れて、公園から退散するママ友たち。

ブラッドとキスをして、自分を見失ったような気分になるサラ。ブラッドは翌日、サラとキスをした公園に行くが、誰もいなかった。

ブラッド、アメフトを始める
ブラッドは夜、図書館に司法試験の勉強をしに行っているフリをして、公園でスケボーをしている少年たちを眺めていた。そこに偶然通りがかった元警察官のラリー。

彼はブラッドを彼が所属する警察官のアメフトチームに連れて行き、半ば強引にブラッドをメンバーに入れる。

また、ラリーは性犯罪者ロニーから子供を守る会の活動をしており、ロニーの自宅を1日に5、6回見回りに行っていると言う。ラリーのやりすぎ自警団にブラッドは引く。

サラの夫
稼ぎは良いが、家庭のことには無関心。ある日、サラの夫は素人のアダルトサイトにハマり、そこに出ている女性が履いていたパンツを購入し、頭にかぶってマスターベーションをしていたところをさらに見られてしまう。翌日、夫の書斎を調べると、ファイルボックスの中から大量のティッシュのゴミが出て来た。

パンツをかぶっている夫を見て最初は動揺したサラだったが、既に夫に関心はなくなっているので、そのことについて特に夫と話し合いはしなかった。

サラ、ブラッドに会いに市民プールへ
サラは通販で赤い水着を購入し、前にブラッドが通っていると言っていた市民プールへ行く。芝生の上でブラッドの隣の場所を陣取り、2人は再会。その後も、サラとブラッドはプールに通い続ける。

ある日、子供たちがプールで泳いでる中、小児性愛者ロニーがプールにやって来る。彼はゴーグルとシュノーケル、フィンをつけて、水中にもぐり、子供たちの体を見ている。

それに気づいた親たちは子供たちをプールに上げ、1人ぽつんとプールに取り残されるロニー。そこへ警備員がやってきて、ロニーをプールから連れ出す。

しっかり水中で子供の体を見ていながら「俺は涼みたかっただけだ!」と逆切れして立ち去るロニー。その後、突然の豪雨。

サラ、ブラッドと不倫関係に

サラとブラッドは2人の子供を連れてサラの家に行く。子供たちを寝かせてから、サラは洗濯室へ。ブラッドがサラの書斎を覗くと、シェイクスピアの本が置いてあり、その間にブラッドの写真が挟んであるのを見つける。ブラッドは洗濯室へ行き、2人はセックスする。

性犯罪者ロニーの過保護な母親メイ
メイは性犯罪者の息子を溺愛している。彼女は年の近い恋人が出来れば、ロニーが子供に手を出さなくなると考え、新聞にロニーの恋人募集の広告を出すと言い、ロニーもそれを承諾をする。

ラリーの暴走
アメフトの試合の帰り、ブラッドはラリーにロニーがプールにいた話をする。それを聞いて怒ったラリーはそのままブラッドを連れて、ロニーの家に押しかける。

対応したロニーの母親メイと押し問答になるラリー。メイが「自分はどうなのよ。息子はあんたのようなマネをしない。ショッピングセンターの少年にあんたは何をした?」とラリーに言うと、ラリーは何も言えなくなる。

ラリーの過去

車に戻ると、ラリーはブラッドに過去に自分が起こした事件の話を始めた。

数年前、ラリーは自分が警察官だった時にショッピングセンターで狙撃犯がいるという通報を受け、駆け付けたところ13歳の少年が銃を持っていた。

少年が持っていたのは実はエアガンだったのだが、それが分からなかったラリーは少年を射殺してしまった。そのことからPTSDになったラリーは仕事が出来なくなり、警察官を辞めた。

ブラッドはラリーに別の仕事をするよう進めるが、ラリーは警察官の仕事が好きで警察官以外の仕事は考えられないと言う。性犯罪者ロニーを執拗に追いかけるのも、警察官をやめた寂しさから、ロニーを見張り警察官ごっこをすることで、自分のアイデンティティーを保とうとしているのだった。

ブラッドの奥さんが気になるサラ
2人は相変わらず逢瀬を重ね、サラはブラッドにセックスをしながら奥さんはどんな人かと聞く。ブラッドはものすごい美人だと言う。深夜、ベッドにいるサラは、今この時間にブラッドは美人の奥さんの隣に寝ているんだと考え、胸が苦しくなる。

読書会へ行くサラ
サラは年の離れたウォーキング友だちに、主婦が集まる読書会に誘われて参加する。

そこには前にブラッドとのキスを見て、関係がそのままになっていた公園のママ友がいた。読書会のテーマは、退屈な主婦の毎日に嫌気がさし、不倫をし、相手と逃げようとしたがそれが叶わず、自殺した女性を描いた作品「ボヴァリー夫人」。

ママ友は主人公のボヴァリー夫人をしょうもない女と切り捨てるが、サラは「ボヴァリー婦人は不幸を受け入れるか、戦うかのどっちかだったのよ。彼女は戦う人生を選んだ。あれは裏切りではなく、渇望よ」と語る。ブラッドと不倫している自分を重ね合わせて。

サラ、ブラッドの妻をチェックしに行く
休日、サラはこっそりブラッドの家の前に行き、ブラッドの美人の妻を確認する。ブラッドの一家が車に乗って出かけるのを見て、サラは自分がブラッドの妻のように堂々とブラッドと愛し合う姿を想像し、それが叶うべきと考えた。

サラ、ブラッドと旅行へ
月曜日にまた市民プールに行くサラとブラッド。週末どうだった?とサラが尋ねると、ブラッドは海に行ったが、妻と喧嘩しっぱなしで最悪だったと話す。それを聞いて、勇気が出るサラ。

ブラッドは今週、司法試験があり、2日間家を空けることになると話す。しかし勉強していないので受かる見込みはない。サラは試験をすっぽかして、2人で旅行に行こうと提案する。ブラッドは一度は断るものの、結局サラと旅行へ。

小児性愛者ロニーのデート
ロニーの母親メイはロニーの身支度を手伝い、新聞広告で出会った女性シーラとデートに行かせる。レストランは母親メイが予約した。

レストランでも近くにいる少女を見ている小児性愛者ロニー。デート相手のシーラは心の病を持つ女性で、原因はわからないと言う。

ある医者には自分では気づかないうちに、幼いうちに性的虐待に遭っていてそれが原因ではないかと話す。急にシーラの話に興味を持ち始めるロニー。

シーラに車で家まで車で送ってもらう途中、ロニーは公園の横に車を止めるようシーラに言うロニー。シーラは過去にデート相手に失礼な目に遭った話をし、ロニーに「あなたはいい人だわ」と言う。

シーラがロニーの方を見ると、ロニーは助手席で公園を眺めながら、マスターベーションをしていた。息が止まるシーラにロニーは「絶対に告げ口するなよ、言ったら殺してやるからな」と脅し、シーラにそのまま家まで送らせる。

ブラッドの妻キャシーの勘と夫の浮気対策
キャシーは、息子アーロンから毎日プールで会っているサラと娘ルーシーの話を聞き、2人の関係を怪しむ。キャシーはブラッドにサラの一家を夕食に招いてと言い、ブラッドは承諾。後日、ブラッド一家とサラ一家が共に食卓を囲む地獄の夕食会が始まる。

ブラッドとサラの様子を見て、2人の関係を確信するキャシー。一方、ブラッドは夕食会を上手く切り抜けたと思っており、キャシーも特に何も言わなかった。

しかし、2日後、キャシーの母親が家にやって来て、期限不明の謎の滞在を開始。義母はブラッドの行くところ行くところに着いてくるように。完全に義母の監視下におかれたブラッド。市民プールに行っても、サラとは別行動になる。ただ、夜のアメフトの試合だけは義母はついて来なかった。

サラとブラッドの駆け落ち計画
その日の試合はブラッドが所属するチームが勝ち、勝利の瞬間、こっそり試合を観に来ていたサラは飛び跳ねて喜ぶ。チームメイトと祝杯を上げに行こうと言うラリーそっちのけで、2人はキスをする。

ブラッドはラリーに「後で行く」と言い、ラリーは仕方なくスタジアムを去る。スタジアムで2人きりになったサラとブラッド。

勝利で興奮しているブラッドは「生まれて初めて何でもできそうだ」と言う。サラは「私たちどうする?この関係は異様だわ。いつまで隠れて会うつもり?」と言い、ブラッドはサラに「一緒に逃げよう」と言う。

精神不安定のラリー
バーで閉店時間になってもブラッドを待っているラリー。店を追い出されてからも、結局現れなかったブラッドにぶつぶつと一人で文句を言い、酔っぱらったままロニーの家へ行く。そして、拡声器を持って、ロニーの家の庭で騒ぐラリー。

ラリーが庭に出て来てラリーを止めようとするロニーの母親メイを振り払ったところ、メイは頭を打って、意識はあるものの動けなくなる。メイは救急車で運ばれ、ラリーは逮捕される。

母親メイ死亡
その後、ラリーは釈放。メイは病院でロニーに手紙を残し死亡する。一人で家に帰るロニー。

いつも母親にやってもらっていた皿洗いを自分でやり、メイの手紙を読むと「いい子でいるのよ」と書いてあった。それを見て、ロニーは部屋にある陶器の人形や時計を壊して暴れる。

駆け落ちの準備をするサラとブラッド
ブラッドは寝ている息子を起こして「わかってほしい、心から愛している」と言い、キャシーに書いた手紙を持って、荷物をまとめ、キャシーと義母に見つからないように家をこっそり抜け出す。

一方、サラはブラッドと出会った公園で娘を連れてブラッドを待っている。公園に向かって走るブラッド。

途中で、いつも司法試験の勉強をすると妻キャシーに嘘をついて外出してはサボって眺めていたスケボー少年たちと出会う。少年たちはブラッドに一緒にスケボーをやろうと誘う。そしてなぜか参加するブラッド。

サラとロニー
サラが公園でブラッドを待っていると、ロニーがやって来た。ロニーはブランコに乗り、泣いている。サラがロニーに声をかけると「ママが死んだ。ママは僕を愛してくれた。ママだけが僕を・・・」と言って泣く。

そしてサラが振り返ると娘のルーシーがいなくなっている。サラが道路に飛び出してルーシーを探すと、ルーシーは街灯の下に一人で立っていた。サラはルーシーを車に乗せ、泣きだす。そしてルーシーを連れて、自宅に戻る。

そして、ブラッド

その頃、ブラッドはサラとの約束を放りだして、少年たちとスケボーに夢中になっていた。が、ブラッドは転倒し、頭を打ち意識不明になるものの、救急車が到着した頃には意識を取り戻す。

ブラッドが落としたキャシー宛ての手紙を少年が拾い、救急車に乗せられるブラッドに渡すとブラッドは「もういらない」と言い、警察官に「妻に連絡してくれ」と言い、救急車に乗る。

ラリーとロニー
ラリーは公園にいるロニーを見つけ、メイを死なせてしまったことを謝る。振り返るロニー。ブランコに乗っているロニーから血が滴っている。

立ち上がったロニーはズボンをおろし、血だらけになった股間を見せ「僕はいい子になる」と言う。驚いたラリーはロニーを抱きかかえ、車に乗せて病院へ運ぶ。終わり。

個人的評価

映画の満足度★☆☆☆☆

感想・レビュー 

犯罪者だけでなく、自分たちを普通だと思っている人たちもそれぞれ問題を抱えているんだよということを言いたいのかもしれないが、ただただ気持ち悪い作品。

「ロニーだけじゃなく、君ら普通の人たちもいろいろやってんじゃん。それが社会」と言うために、サラやブラッドの不倫、ラリーの精神不安定を持ち出すのも問題のレベルが違い過ぎて、受け入れがたいものがある。

また、小児性愛者が夜一人で公園に入って来たら、娘を連れた母親なら当然逃げるだろう。わざわざ自分から近寄って声をかけるわけがない。設定に無理がありすぎる。

性犯罪者に対する描き方も、性犯罪者側に寄り過ぎているように思う。ほら、ロニーも可哀そうでしょみたいな。

ロニーが刑務所を出所してからやったことは、近づくことが禁止されている市民プールに行き、完全にシュノーケリングの装備で、水中から子供たちの体を見ていたこと、新聞広告で知り合った女性とのデートでは相変わらず少女を凝視し、相手女性の性的虐待の話に興味を持ち、公園の近くに車を止めさせてマスターベーションをし、相手の女性に言ったら殺すと脅したこと。同情できるところは一つもない。

母親の死により心を入れ替えたと言いたいのかもしれないけど、48歳の禿げたおっさん性犯罪者が「いい子になるんだ!」と叫んでいる様子は、かなりの恐怖映像。

ロニー役のジャッキー・アール・ヘイリーアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたらしいが、あのキモさはトラウマになるレベル。

リトル・チルドレン
解説

トム・ペロッタ原作のベストセラー小説を映画化した、ひねりの効いたヒューマンドラマ。経済的に何不自由のない生活を送りながらも、どこか満たされない空虚さを抱えた大人たちの姿を映し出す。『タイタニック』のケイト・ウィンスレットが、郊外の主婦の欲求不満を体当たりで熱演。『オペラ座の怪人』のパトリック・ウィルソンを相手に熱い濡れ場を披露する。平凡な人々の等身大の人生の悩みや苦しみがじわじわと胸にしみる。

解説・あらすじ - リトル・チルドレン - 作品 - Yahoo!映画

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