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結末は?映画『マダムのおかしな晩餐会』は上流階級の本音を露骨に描いたシニカル・コメディ【ネタバレあり】

マダムのおかしな晩餐会 2016年

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再生時間:91分

マダムのおかしな晩餐会
解説

身分を隠して晩餐会に出席したメイドに客の紳士が一目ぼれしたことから騒動が起こるロマンチックコメディー。アメリカ人の妻と夫を『リトル・ミス・サンシャイン』などのトニ・コレットと『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』などのハーヴェイ・カイテル、晩餐会に波乱をもたらすメイドを『ジュリエッタ』などのロッシ・デ・パルマが演じる。脚本家としても活動しているアマンダ・ステールがメガホンを取る。

解説・あらすじ - マダムのおかしな晩餐会 - 作品 - Yahoo!映画

キャスト・スタッフ
あらすじ・考察
※ネタバレあり

災難なマリア

パリの邸宅に住むリッチなアメリカ人夫婦ボブ(ハーヴェイ・カイテル)とアン(トニ・コレット)。ある日、2人は知人たちを家に招いて晩さん会を開く。そこへボブの前妻との間の息子スティーブ(トム・ヒューズ)が突然やって来て、晩さん会に参加すると言う。スティーブが参加することで人数が13人になってしまい、不吉だと考えたアンはメイドのマリア(ロッシ・デ・パルマ)に招待客になりすますよう命じる。

策略家スティー

ボブの息子スティーブは小説家。と言っても小説家とは名ばかりで、ほとんど書いていない。前作は自分の父親ボブと2番目の妻アンをネタに小説にしたもので、今回もマリアをネタに小説を書くことを企む。

ティーブは晩さん会にやって来た英国人の美術鑑定士デビッド(マイケル・スマイリー)にマリアはスペインの高貴な身分だと偽り、デビッドがマリアに興味を持つように仕向けた。

マリアに夢中になるデビッド

ティーブの思惑どおり、個性的な顔立ちで、個性的な考えのマリアに夢中になったデビッド。デビッドは晩さん会の翌日にマリアの電話番号をスティーブから聞き出し、マリアをデートに誘う。

デビッドがマリアにメールを送っていることを知ったアンは、マリアのかわりにそっけないメールを返し、デビッドが諦めるように仕向けるが、デビッドはますますマリアに夢中になってしまう。マリアはアンに隠れてデビッドとデートをするようになる。

最初のデートで、マリアを高貴な身分の女性だと思っているデビッドはマリアに「君がどんな身分が知っている。僕はそれでも構わない」と言う。それを聞いたマリアはデビッドが自分がメイドだということを知っている上で、自分に好意を持ってくれているのだと勘違いしてしまう。お互いがお互いを勘違いしたまま、2人は距離を縮めて行く。

2人の関係を心配したアンはデビッドに真実を告げようとするが、ボブがそれを止める。ボブは実は財政難に陥っており、自宅にある絵画を売るため、デビッドに鑑定を依頼している。そのため、デビッドに自分たちが嘘つき夫婦だとバレることはまずいと言い出し、デビッドに真実を伝えるのは絵の鑑定が済んでからにしようとアンを説得する。その間にどんどん関係を深めるデビッドとマリア。

マリアに嫉妬するアン

アンは元々ボブのゴルフの先生だった。彼女は努力で金も男も手に入れてきたという自負があり、メイドであるマリアがいとも簡単に上流階級の仲間入りをすることが気に入らない。そして、マリアたち使用人と私たちは世界が違うんだと、マリアにデビッドを諦めるよう説得するが、デビッドに夢中になり、相思相愛だと思っているマリアはアンの忠告を受け入れない。

アン、デビッドに真実をバラす

使用人としてのマリアを失いたくないのと、マリアに対する嫉妬からアンはデビッドにマリアの身分をバラしてしまう。その後、マリアへのデビッドから連絡は途絶えた。

デビッドを心配するマリア。そんな中、アンの邸宅にデビッドが仕事で訪れ、デビッドの元にマリアはお茶を運ぶことになる。しかし、デビッドはマリアをちらっと一瞥しただけで、マリアを無視する。

結末

全てが終わったことを悟ったマリアは、荷物をまとめてアンの家を出る。家の入口でマリアをモデルに小説を書いていたスティーブと出くわし、お別れを言ってマリアは立ち去る。マリアが立ち去った後、スティーブの元にデビッドがやって来て、小説の結末を尋ねる。まだ分からないというスティーブにデビッドは、人はハッピーエンドが好きなんだと昔愛した女から教わったと話す。

アンの家を出たマリアは吹っ切れた表情でパリの街を歩いている。終わり。

個人的評価

映画の満足度★★☆☆☆

感想・レビュー 

「マダムのおかしな晩餐会」はコメディに見せかけた、上流階級の本音をばらまきまくった、あまり笑えないシニカル・コメディ。脚本も手掛けた アマンダ・ステール監督がチュニジア出身で、差別される側にいるせいか「それは言っちゃいけない話じゃ…」というような上流階級の本音をバンバン、セリフの中にぶち込んでくる。

これを白人欧米人の脚本家、監督がやると問題あるが、差別される側のチュニジア出身の監督が自分で自分たちをディスるわけだから、セーフと言うことになるのだろうか。というわけで、あまり笑えない内容の映画。

愚鈍なまでにまっすぐなマリアに、上流階級に喰い込みたくて喰い込みに成功した元ゴルファーのアメリカ人アンが「上流階級ってもんはね…」と語る形で、上流階級の本音をダダ洩れさせるのは、やり方としては上手。

晩餐会のシーンでマリアが皆に披露する下品なジョーク「20代のおっぱいは…30代40代のおっぱいは…50代のおっぱいは…」「20代のチ〇チ〇は…30代40代のチ〇チ〇は…50代のチ〇チ〇は…」の内容は的確でクスっと笑えるが、笑えるのはそのくらい。

最期のマリアのシーンもあいまいな形で終わっていて、最終的にデビッドと結ばれたのでは?という期待も持たせるが、マリアの表情から見るに、それは考えられないように思う。デビッドがスティーブに言った「人はハッピーエンドが好きだ」と言うセリフも「小説の場合はね。現実には起こりえないけど」と但し書きが入るものと捉えられる。

コメディを期待して観ると、気持ちがどんよりする映画。「これが現実。それが何か?」みたいな終わり方。フランス映画っぽいフランス映画。メインキャストはフランス人じゃないし、英語だけど。

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