ブルーバレンタイン
再生時間:112分
ブルーバレンタインについて
あるカップルの出会いから結婚、そして破局までを描き、サンダンス映画祭やカンヌ国際映画祭など世界各地の映画祭で注目されたラブストーリー。壊れかけた夫婦には、『ラースと、その彼女』のライアン・ゴズリング、『ブロークバック・マウンテン』のミシェル・ウィリアムズがふんし、過激な性描写や体重増量も辞さない迫真の演技を披露。10年以上も脚本を練り上げたデレク・シアンフランス監督による、愛が終わる痛みを巧みな演出で紡いだ切ないストーリーが胸に迫る。
キャスト・スタッフ
- (ディーン)ライアン・ゴズリング
- (シンディ)ミシェル・ウィリアムズ
- (フランキー)フェイス・ワディッカ
- (ボビー)マイク・ヴォーゲル
- (ジェリー)ジョン・ドーマン
- 監督 デレク・シアンフランス
デレク・シアンフランス監督
作品一覧
2010年 ブルーバレンタイン
2012年 プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命
2016年 光をくれた人
ブルーバレンタイン
あらすじ
切なさに胸が熱くなる!あるカップルの出会いから結婚、破局までを描く痛切ストーリー
結婚7年目、資格を取得して忙しく働く妻シンディと、朝から酒を飲む夫・ディーン。互いに不満を抱えてはいるが、それを口に出せば平和が壊れてしまうことも知っていた…。かつて夢と希望にあふれていたふたりの過去と現在を交錯させながら、愛の変遷を描く。
ストーリーと解説
※ネタバレあり
医学部に通っているシンディ(ミシェル・ウィリアムズ)は少々乱暴な恋人ボビー(マイク・ヴォーゲル)と距離を置いていたところ、祖母の老人ホームで引越屋としてやってきていたディーン(ライアン・ゴズリング)に出会う。
ボビーとは対照的に優しく、楽しいディーンに惹かれるシンディだが、ある日、妊娠が発覚する。しかしそれはディーンではなく、ボビーの子供だった。一度はディーンに付き添ってもらい、中絶手術を受けようとするものの、直前で手術を止めたシンディ。泣いているシンディにディーンは家族になろうとプロポーズする。
シンディは当時、医学生、ディーンは中卒の引越屋。釣り合わない2人ではあったが、2人は幸せな結婚式を挙げる。無事に生まれた娘のフランキーも大きくなり、もう7歳。シンディは産婦人科医をしている。一方、ディーンは朝から酒を飲んで、ペンキ屋をして、フランキーを自分の子供のようにかわいがっているが、あまり家事はしていない様子。
仕事と家事に追われ、不満がたまるシンディ。ある時、犬が行方不明になり、数日後道路わきで死体となって見つかってしまう。娘フランキーの発表会で泣きだしてしまうシンディ。シンディとディーンは犬を埋葬するため、フランキーにそれを見せないようにするため、フランキーをシンディの実家に預ける。
家に戻るとディーンはシンディをラブホテルに誘う。「そんな安っぽいラブホテルなんか行きたくない」と言うシンディを半ば強引に連れ出すディーン。途中で立ち寄ったスーパーでシンディはフランキーの父親でもあるボビーに偶然再会してしまう。そのことで車の中で口論となってしまうシンディとディーン。ホテルについてからも、ディーンの仕事のことで言い争いとなり、険悪なムードのまま朝を迎える。
朝が早いシンディはメモだけ残して、ディーンを置いて車で出勤してしまう。目が覚めて置いていかれたことに気づいたディーンは朝から酒を飲み、シンディの職場に押しかけ暴れ、しまいには仲裁に入った院長を殴ってしまい、シンディは解雇される。
2人でシンディの実家にフランキーを迎えに行くが、そこでディーンはシンディから離婚を言い渡されてしまう。シンディの実家を立ち去るディーンを追いかけるフランキー。シンディはフランキーを呼び戻し「ママがいるから大丈夫よ」と言う。終了。
結婚後の今の生活をベースに、ところどころ2人の出会いや恋人時代を差し込む構成となっている。あの時はあんなだったのに、今はこう…と恋人時代と結婚後の様子を対比させるスタイル。
個人的評価
映画の満足度★★★☆☆
感想・レビュー
愛情はたっぷり、でも労働が足りないディーン。子供と遊ぶのは得意だが、娘に服を着せたり、食事をさせるのはシンディの仕事。家は散らかしっぱなしだが、ディーンが家事をする様子はない。家事と仕事に追われ、不満をふつふつと溜めるシンディがある日、我慢の限界に達した形。
結婚した当初は自分の子供でもないのにシンディと結婚して子供の父親になってくれたディーンでも、生活する上で全く戦力にならず、むしろお荷物となれば、だんだんと愛が冷めてしまうのは仕方のないこと。
シンディ自身はディーンに稼ぐことは要求しておらず、朝から酒を飲まないでほしい、ペンキ屋でなく自分の音楽や絵の才能を生かして、何かを始めてほしいと思っているが、朝から酒を飲んで、他人の家のペンキ塗りをして報酬を得る現状に満足してしまっているディーン。
2人の目指すところが違っていたわけだが、仮にディーンがちゃんと家事や育児に時間を割いていたら、こんなことにならなかったのでは?とも思う。
またいい年して、安っぽいラブホテルに連れて行こうとする夫にシンディは幻滅しただろうし、いつまでも自分がティーンだと思っているような手を動かさない禿げたおっさんが切り捨てられてしまうのは当たり前っちゃ当たり前。ハゲ頭で愛を囁いている暇があったら、手を動かせよ。