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ナチス軍将校と人妻のフランス人女性の恋を描いた映画『フランス組曲』【ネタバレあり】

フランス組曲 2014年

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再生時間:107分

フランス組曲
解説

1942年にアウシュビッツでその生涯を閉じた女性作家イレーヌ・ネミロフスキーによる未完の小説を、「マリリン 7日間の恋」のミシェル・ウィリアムズ主演で映画化。「ある公爵夫人の生涯」のソウル・ディブが監督・脚本を手がけ、フランス人女性とナチスドイツ将校の許されざる愛を軸に、過酷な状況の中で必死に生きる人々の姿を描き出す。1940年、ドイツ占領下にあるフランスの田舎町。出征中の夫の帰りを待つリュシルが厳格な義母と暮らしている屋敷に、ドイツ軍中尉ブルーノがやって来る。音楽を愛するリュシルとブルーノは自然と親しくなり、お互いにかけがえのない存在となっていく。共演は「君と歩く世界」のマティアス・スーナールツ、「イングリッシュ・ペイシェント」のクリスティン・スコット・トーマス、「スーサイド・スクワッド」のマーゴット・ロビー

フランス組曲 : 作品情報 - 映画.com

キャスト・スタッフ
フランス組曲
あらすじ

1940年6月、ドイツがフランスを支配。フランス中部の田舎町ビュシーで、出征した夫の帰りを待ちながら義母と暮らすリュシルの屋敷には、ドイツ軍中尉ブルーノが滞在することに。ともにピアノと音楽を愛するリュシルとブルーノは、いつしか惹かれ合い…。

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ストーリー
※ネタバレあり

舞台はドイツ軍占領下のフランス、ビュシー。主人公リュシル(ミシェル・ウィリアムズ)は夫の出兵後、義母アンジェリエ夫人(クリスティン・スコット・トーマス)と暮らしている。義母は厳しい人で、毎週小作人の家を抜き打ち的に回り賃料を回収して回る。小作人たちが賃料を値切ったり払わないでおいて、良い暮らしをしていないかチェックするためだ。「ちょっとでも隙を見せたら、彼らに絞り取られるわ」と彼女は言う。

そんな義母との暮らしで息が詰まる毎日を送っているリュシル。唯一の息抜きであるピアノまで義母に管理されているような状況。

そんなある日、ドイツ軍が街にやって来て、リュシルと義母が住む屋敷の一部を占拠する。リュシルの家には1人の青年将校ブルーノ(マティアス・スーナールツ)がやって来た。ブルーノは軍に入る前は作曲活動をしており妻もいたと言う。ブルーノは夜、ピアノを弾き、音楽を通してリュシルとブルーノは徐々に心を通わせていく。

ブルーノの仕事は、街のフランス人からドイツ軍に届くタレコミの手紙をチェックするのがブルーノの仕事であった。その中からリュシルは自分の夫が結婚前から愛人がおり、子供までいることを知る。内緒にしていた義母を責めるリュシル。リュシルは「ロクに知らない男と結婚し、愛だと思い込もうとしていた。私は死んでいたも同じ」とブルーノに語る。その後、徐々に2人の距離は縮まっていく。

そんな中、農夫のブノワが村長でもあるモンモール子爵の食糧庫に忍び込み、食料を盗んでいるところを子爵夫人に見つかってしまう。子爵夫人はブノワのことをドイツ人に報告。ドイツ軍がブノワの家にやって来て、ブノワを逮捕しようとしたところ、ブノワは納屋に隠れる。すると、ブノワの家に滞在し、前から自分の妻を狙っていた将校とブノワがもみ合いになり、ブノワは将校を殺害してしまう。バイクに乗って逃亡するブノワ。

前からリュシルと親しかったブノワの妻はリュシルを訪ね、夫を助けてほしいと頼む。その夜、森に行き、ブノワを屋敷に連れて帰ったリュシル。リュシルの義母、アンジェリエ夫人がそれを知ると、意外なことにブノワを隠し部屋にかくまう。

ドイツ軍はブノワが48時間以内に見つからなかった場合は見せしめに村長であるモンモール子爵を処刑すると町民に通達する。結局、ブノワが現れなかったため、村長は銃殺されるが、その指揮を命令されたのがリュシルの家に滞在していたブルーノであった。

「彼らも同じ人間だと思いたかったが、永遠に敵だ」と実感することになるリュシル。リュシルはレジスタンスの活動に参加したいと言うブノワをパリに連れて行くことになる。義母アンジェリカ婦人はリュシルにお金と銃を持たせてくれる。

2人で車でパリに向かうための通行証が必要になり、パリに出発する前日にドイツ軍が集まっている場所にブルーノを訪ねるリュシル。ブルーノは他の兵士が屋敷でたばこのニオイがしたと言っている、ブルーノは僕のたばこだと言っておいたとリュシルに言い、部下に通行証を発行させるとリュシルに伝える。

これでリュシルとは永遠の別れになると感じたブルーノは「いつかまたあなたに出会う。兵士としてではなく。あなたは僕に気づかないでしょう」と言い、リュシルは「大事にして、その命を」と言うと、ブルーノは「価値ある命だと?」とリュシルにたずねる。リュシルは「ええ、私のとっては大切よ」と答える。

そしてその翌日、ドイツ軍はビュシーの街を出て他の街に移動することになる。ブルーノは自分が作曲した「フランス組曲」という楽譜を残して、リュシルの屋敷を出て行った。

街でドイツ軍が集まっていると、前からリュシルの屋敷を怪しんでいる兵士がブルーノにやはりリュシルの家が怪しいから、通行証に検問所で調べるよう書き添えておいたとブルーノに報告する。

リュシルがブノワを車のトランクにかくまって、検問所を通過しようとすると、通行証の添えられたメモを見た兵士にトランクを開けさせられてしまう。トランクを開けた途端、兵士を射殺するブノワ。もう1人の兵士と撃ち合いになり、兵士は倒れ、ブノワも負傷する。そこへバイクで駆け付けるブルーノ。事情を呑み込み、ブノワを車に乗せて、リュシルを逃がす。2人は言葉を交わさない。

その後、リュシルはブノワを連れてパリに到着。レジスタンスに参加するリュシルとブノワ。4年後にフランスがドイツ軍から解放されるまで2人は戦った。

戦後、ブルーノの死を知ったリュシル。死亡した理由は不明だが、おそらく軍に背いた罪で処刑されたものと思われる。リュシルは音楽を聴くと彼を思い出すと語って、映画は終了。

この作品の原作はユダヤ人女性イレーヌ・ネミロフスキーが途中まで書いたところで、アウシュビッツで死亡してしまう。この原稿をイレーヌの娘が保管しており、60年後の2004年に「フランス組曲」として出版され、ベストセラーとなった。

個人的評価

映画の満足度★★★★☆

感想・レビュー

戦時中に自分たちユダヤ人を虐殺しているナチス軍に所属している兵士をモデルに、このようなラブストーリーを書いていたユダヤ人女性がいたことに驚いた。

小作人に厳しかった上流階級のアンジェリエ夫人も有事になれば、農夫であるブノワや、ユダヤ人の娘を匿い、息子の妻をレジスタンス活動に送り出す心意気を見せたり、こっそり食料を貯蔵していた子爵夫人が盗みに入ったブノワをナチス軍に売ることで、結果自分の夫が処刑されてしまったり。誰が味方で誰が敵がわからない混沌とした状況の中で、リュシルを守ったナチス軍のブルーノの気持ちに心を打たれる。

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