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女たちの狂気を描く『The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ』が美しくて恐ろしい【ネタバレあり】

The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ 2017年

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The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめとは

1971年「白い肌の異常な夜」のリメイク版。ソフィア・コッポラ監督はカンヌで監督賞を受賞。

The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ あらすじ

カンヌで監督賞、史上2人目の女性
南北戦争下の米南部で、女子寄宿学園の園長マーサ(ニコール・キッドマン)は教師エドウィナ(キルスティン・ダンスト)と共に、戦火を逃れひっそり女子生徒5人を教えていた。そこへ脚に傷を負った北軍兵士マクバニー(コリン・ファレル)が転がり込む。女性たちは心をざわつかせ、マクバニーはそれを楽しむかのようにみんなに気を引く態度をとり、秩序が崩れていく。カンヌ国際映画祭で女性として56年ぶり、2人目の監督賞。(2017年、米、ソフィア・コッポラ監督)

『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』 カンヌで監督賞、史上2人目の女性:朝日新聞GLOBE+

「ビガイルド」の意味

beguileの過去形。意味は騙す、欺く。

受賞について

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キャスト・スタッフ
ソフィア・コッポラ監督
作品一覧
ざっくり言うと 
※ネタバレあり
  1. 舞台はアメリカの南北戦争時代の寄宿制の女学校。
  2. 敵軍のケガしている男を助けてやったら、調子に乗って女子生徒のベッドに潜り込んだので、女校長は迷わず男の足を切断。
  3. 今度はキレて暴れやがったので、キノコ料理で毒殺して、学校の秩序を守ったわという話
  4. ソフィア・コッポラ監督作品なので映像が美しい。
個人的評価

熱中度 ★★★★☆

観た後の満足度 ★★★★☆

感想(レビュー)

美しい女性校長と女性教師、美しい女子生徒たち。場所は南北戦争時代の森に囲まれた寄宿学校。負傷した敵の北軍兵士が突如現れることで、これまでの調和が乱れる。男が欲望をむき出しにしたら、ケガを理由に即、足を切断。暴れ出したら、即キノコ料理で毒殺。ニコール・キッドマン演じる女性校長の決断力が残酷で鮮やか。 

しかし、この邦題…。「欲望のめざめ」とはこれいかに。ロリコン大国日本では少女が出る作品だと何かと、性のめざめ的な補足をつけようとする。内容を無視して。これで観客数が変わるからそうするんだろうけど、映画の印象が変わってしまうからやめてほしい。

あらすじ・感想
※ネタバレあり 

舞台は南北戦争時代のアメリカ。南部にある女性校長(ニコール・キッドマン)1人、女性教師(キルステン・ダンスト)1人、女子学生5人が住む女学校に足を負傷した北部の兵士(マクバニー)がやって来る。

彼女たちは最初はマクバニー(コリン・ファレル)を手厚く治療、介護。女性しかいない世界に突如現れた男性に皆、興味深々。 

マクバニーはオールド・ミスの女性教師エドウィナ(キルステン・ダンスト)に好意を伝えていたが、積極的にアプローチをかけてきた女学生アリシアエル・ファニング)のベッドに忍び込み、ことに及ぼうとするところをエドウィナに見つかってしまう。 

必死に言い訳をするマクバニーをエドウィナは突飛ばし、マクバニーは階段から転げ落ちる。そこへ現れた女性校長。一瞬で事態を悟る。治ったばかりのマクバニーの足の傷がぱっくり開いている。それを見て、女性校長は足の切断を即決。 切断の必要ある???と思っているのも束の間、女性校長の手術が始まってしまう。「解剖学の本を持ってきて」と指示する女性校長役のニコール・キッドマンの冷たく美しい顔が恐ろしい。

目覚めて、足を切断されたことに気づくとマクバニーは半狂乱になる。「お前ら、俺がお前らの部屋に行かなかったから、足を切断したんだろ!!!」と大騒ぎ。女性たちを銃で脅す事態にまで発展する。

騒然とする中、エドウィナがマクバニーを別室に誘い、そこでなぜかセックス。マクバニーを落ち着かせようとしたのか、前回、思わせぶりを食らって裏切られたのが悔しかったのか、マクバニーを愛してしまっていたのか・・・動機はよくわからない。

エドウィナ(キルステン・ダンスト)が着ている上着をマクバニーが引きちぎり、ボタンのパールがばらばらばら~と飛び散るシーンが美しい。

秩序の乱れは許さない、生徒たちを守らないといけない女性校長。エドウィナとマクバニーがセックスしている間に、女子生徒たちとマクバニーをどうするか話し合う。

1人の生徒が「マクバニーはキノコ料理が好きよね」とつぶやく。

その日の晩餐、仲直りを装って、夕食にマクバニーを招待。「キノコ料理をどうぞ」と女子生徒たちが順にマクバニーにキノコ料理の皿を回す。

マクバニー、悶絶しながら死亡。キノコで殺害作戦を知らなかったエドウィナは動揺。

翌朝、女性校長、教師、生徒たちはマクバニーの死体を布袋に入れ、玄関先に捨てる(味方の南軍が回収してくれるのか?)。エドウィナも静かに状況を受け入れ、元の秩序を取り戻す。 

性的トラブルを起こしたら、迷わず男の足を切り落とす。そして、男が暴れたらキノコ料理で殺害。決断力と行動力でトラブルを即解決。

これは狂気なのか?自分たちを身を守るためには仕方なかったのかも。戦争中、女だけで生き伸びるには、このくらいしないと自分たちの身を守れないもんね。ソフィア・コッポラ監督の映像美と内容の毒々しさの対比が印象的な映画。

 

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