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アカデミー賞作品賞&パルムドール、ダブル受賞の『パラサイト 半地下の家族』はつまらない。結末は怖い【ネタバレあり】

パラサイト 半地下の家族

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再生時間:131分

パラサイト 半地下の家族
解説

殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」「スノーピアサー」の監督ポン・ジュノと主演ソン・ガンホが4度目のタッグを組み、2019年・第72回カンヌ国際映画祭韓国映画初となるパルムドールを受賞した作品。第92回アカデミー賞でも外国語映画として史上初となる作品賞を受賞したほか、監督賞、脚本、国際長編映画賞(旧外国語映画賞)の4部門に輝くなど世界的に注目を集めた。キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていた。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行くことに。そして妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れる。正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へと猛スピードで加速していく……。共演に「最後まで行く」のイ・ソンギュン、「後宮の秘密」のチョ・ヨジョン、「新感染 ファイナル・エクスプレス」のチェ・ウシク。

パラサイト 半地下の家族 : 作品情報 - 映画.com

公式サイト

映画『パラサイト 半地下の家族』オフィシャルサイト

キャスト・スタッフ
  • (キム・ギテク)ソン・ガンホ
  • (パク・ドンイク)イ・ソンギュン
  • (パク・ヨンギョ)チョ・ヨジョン
  • (キム・ギウ)チェ・ウシク
  • (キム・ギジョン)パク・ソダム
  • (ムングァン)イ・ジョンウン
  • (パク・ダヘ)チョン・ジソ
  • (パク・ダソン)チョン・ヒョンジュン
  • (キム・チュンスク)チャン・ヘジン
  • (ミニョク)パク・ソジュン
  • 監督 ポン・ジュノ
受賞歴
パラサイト 半地下の家族
あらすじ

 カンヌ、アカデミー賞を制した衝撃のブラック・エンターテイメント!
半地下住宅で暮らす全員失業中の貧しいキム一家。ある日、大学受験に失敗し続けている長男・ギウは、エリート大学生の友人から家庭教師の仕事を紹介される。ギウが身分を偽り訪れた先は、IT企業の社長、パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸だった。

「パラサイト 半地下の家族」(洋画 / 2019年)の動画視聴・あらすじ | U-NEXT

登場人物

<半地下に住む家族>キム家

兄ギウ
キム家の長男。無職。4回大学受験するも失敗。名門大学に通う友人の紹介でパク家の長女ダヘの英語の家庭教師になる。妹のギジョンを従兄の大学の後輩ジェシカと偽って、妹をパク家の弟の美術の家庭教師にねじ込む。

妹ギジョン(ジェシカ)
キム家の下の娘。美術が得意。策略家。パク家の運転手を嵌め、父チョンスクをパク家の運転手にねじ込む。

父チョンスク
ほぼ無職。ギジョンの計らいでパク家の運転手になる。妻であるギスクをパク家の家政婦にねじ込む。

母ギスク
主婦。運転手をやっていたチョンスク経由で家政婦に収まる

<リッチな家族>パク家

父ドンイク
IT企業を経営。家のことは妻に任せきりのタイプ。臭いニオイに強い嫌悪感を示すが、元運転手の彼女が忘れて行ったと思われるパンツのニオイは嗅ぐ。きれい好きの変態傾向あり。
母ヨンギョ
美人だがちょっとバカ。会話の中に何かと英語を挟む。下の息子ダノンに手を焼いている。
姉ダヘ
高校生。ギウに英語を習っている。ギウのことが好き。

弟ダソン
問題行動あり。絵が得意。6歳の誕生日に夜中に冷蔵庫からケーキを取り出して食べていたところ、地下から幽霊が出てくるのを見て失神。誕生日のケーキがトラウマ。

<パク家の元家政婦>

ムングアン
パク家の自宅が、前の所有者のものだった頃から、この家の家政婦をしている。家のことは誰よりも詳しい。

グンセ
ムングアンの夫。借金取りから逃げるために、妻ムングアンにパク家の秘密の地下室にかくまわれている。

ストーリー
※ネタバレあり

半地下に家族で住んでいるギウがある日、友人に裕福なパク家の家庭教師の仕事を紹介される。それをきっかけに妹ギジョンにも家庭教師、父ギスクには運転手、母チョンスクには家政婦の仕事を手に入れ、それまでほぼ無職だった一家が家族であることは内緒にして、お金持ちの一家にそれぞれが職を得ることに。

パク一家がキャンプへ

パク家全員が息子ダソンの誕生日を祝うため、キャンプに行った日、パク家の豪邸でキム一家が呑気に酒盛りをしていたところ、前の家政婦ムングアンが忘れ物をしたと言って、家に来てしまう。

留守番をしていることになっている現家政婦チョンスクが対応し、パク家にはいつも使っている地下のその下に秘密の地下があることを知る。ムングアンはお金持ちの家にはよくある核シェルターだと言う。

シェルターのことは前の住人は知っているが、パク一家は知らないため、そこに元家政婦ムングアンは夫グンセをパク一家には内緒で、そこに住まわせていたのだった。

現家政婦チョンスクと元家政婦夫婦が話しているのを階段で立ち聞きしていた、父ギスク、兄ギウ、妹ギジョンは階段で足を滑らせて、ムングアン夫婦に見つかってしまう。

パク一家の突然の帰宅

2家族でパク家にバラすバラさないの争いをしている中、大雨でパク家がキャンプから戻って来ると電話が入る。ドタバタと片づけをし、グンセとムングアンを地下に入れるパク一家。

パク一家が帰宅し、元家政婦ムングアンがパク家の妻ヨンギョにキム一家のことを訴えようと、地下から這い出ようするが、現家政婦である母親チョンスクに階段から蹴落とされ、元家政婦ムングアンは死んでしまう。

パク一家が戻って来ている中、息をひそめて隠れていたキム家の兄、妹、父親は何とかバレることなくパク家を脱出する。外は大雨。

半地下の自宅は下水が流れ込んで水浸しに。3人は私物を持って避難所に避難する。一方、高台に住む裕福なパク一家は何の被害もなく、普通に過ごしていた。

パク一家でのガーデンパーティー

大雨の翌日、パク家の妻ヨンギョが急にガーデンパーティー(ダソンの誕生日パーティー)を開くと言い出し、たくさんの人がパク家に集まる。そこに家庭教師の兄ギウと妹ギジョン、運転手である父ギスクも招待される。

こんなことになったのは自分の責任だと考えた兄ギウは、自宅から持ってきた石を持って、地下に入って行く。ところが元家政婦の夫グンセに捕まってしまい、ギウが持っていた石で頭を殴られてしまう。

地下から這い上がった元家政婦の夫グンセはそのままガーデンパーティーに突入し、妹ギジョンを包丁で刺し、母親チョンスクを刺そうともみ合いになっているところ、逆にチョンスクに刺されてグンセは死亡。

妹ギジョンが刺されているところを目の前で見てしまったパク家の息子ダノンが気絶してしまったため、パク家の父ドンイクが病院に連れて行こうと運転手ギスクから車のキーをもらおうと、ギスクにキーを投げさせたところ、元家政婦の夫グンセがそのキーの上に倒れ込んで死んでしまう。

父ドンイクがロクに風呂に入っていないグンセの体を傾けるとひどいニオイがし、父ドンイクは露骨に嫌な顔をし鼻をつまむ。ドンイクはニオイを気にしてそれを口に出してしまうタイプ。

以前、運転手である父ギスクのニオイについて、妻ヨンギョに悪口を言っているのを聞いてしまっていたギスクは、そのドンイクの動作にカッとなり、ギスクがドンイクを刺して殺してしまう。

その後

ギウは1か月意識が戻らなかったが、その後意識を取り戻す。妹ギジョンは死亡。

私文書偽造、住居侵入、傷害致死で息子ギウと母チョンスクは裁判にかけられたが、傷害致死については正当防衛が認められ、執行猶予がつく。ドンイクを殺害した父ギスクは行方不明のまま。周囲の家の防犯カメラにもギスクの姿は映っていなかった。

父ギスクの居所

父ギスクはパク家を出ておらず、ドンイクを刺した後、パク家の秘密の地下室に隠れていたのだった。現在、パク家が住んでいた家は外国人一家が住んでいる。

地下で死亡した元家政婦ムングアンは、外国人一家が越してくる前に父ギスクが庭に埋めた。

パク家の玄関の電灯は秘密の地下から操作できるようになっている。ある日、電灯をちかちかさせることで、父ギスクがそれを使って息子ギウに向かって暗号を送っていることに、ギウは気づく。ギウはいつかお金を稼いで父親を助け出すと誓う。

パラサイト 半地下の家族
考察

そもそも、貧しい一家が悪知恵を働かせて、裕福な一家に職を得ただけで、それ以上の悪意はなかった。が、一家の留守中に調子に乗って、彼らの豪邸で酒盛りをしていたところ、そこに運悪く前家政婦が帰って来たことから、すべての歯車が狂い大惨劇に。

結果、妹は死亡し、父は半地下の暮らしから更にランクダウンして地下暮らしになってしまった話。

息子ダソンの問題行動

パク家のダソンは問題児として描かれていたが、実は一番いろんなことに気づいていたのがダソン。

ダソンが書いた絵はダソンが幽霊だと思った、地下に住むグンセを描いたもの。運転手である父ギスクと母チョンスクが同じニオイがすると気づくのもダソン。

大雨の日に、地下でギスクに手を縛られたグンセが玄関の電灯を使って、「助けて」と暗号を送り、それを読み取るのもダソン。

せっかく、ダソンがいろんなヒントを示しているのに、大人たちはそれを見逃してしまい、最終的には大惨事が起きることに。

世の不条理

元家政婦夫婦を石で殴って殺そうと計画していた兄は生き残り、夫婦を心配していた妹が死亡する不条理。

父ギスクの衝動

父ギスクのドンイク殺害の動機がはっきりしない。父ギスクがパク家のドンイクを殺害するという、衝撃的な行動に出てしまったのは、富裕層の取りようによっては冷たさに見える労働者層との間の線引きと、グンセが死んでもそれには一切興味を持たず、ニオイに顔をしかめたことで「自分たちを虫ケラ扱いしやがって!」との怒りからだったのだろうか。

それとも単に、貧困層の富裕層に対する逆襲シーンを入れて、全体のバランスを取りたかったのだろうか。

パラサイト 半地下の家族
相関図

パラサイト 半地下の家族 l 相関図 l 解説

パラサイト 半地下の家族 相関図
個人的評価

映画の満足度★★★☆☆

感想・レビュー

ブラックコメディなのか?キム一家がパク一家に入り込むまではおそろしく策略的なのに、それ以降は留守宅で酒盛りする程度で、途中からはトーンダウン。元家政婦の来訪というアクシデントによって、果し合いにはなるものの、根本的にはそれほど悪い人たちではなかったのねという印象。

母親チョンスクが庭でハンマー投げする様子や、ムングアンをタイミング良くひょいと蹴とばして突き落とすシーンはクスっとなるが、でもコメディって感じでもないな。

ポン・ジュノ監督作品でも『パラサイト 半地下の家族』より『母なる証明』の方が、嫌な感じをがっつり残してくるので、こっちの方が印象には残る。

アカデミー賞作品賞カンヌ映画祭パルムドールを受賞したそうだが、ちょっと評価が高すぎるような印象もある。

video.unext.jp

ポン・ジュノ監督
作品一覧

1994年 白人色
1994年 支離滅裂
1994年 フレームの中の記憶
1999年 ユリョン
2000年 ほえる犬は噛まない
2003年 殺人の追憶
2003年 Sink and Rise
2004年 インフルエンザ
2005年 南極日誌
2006年 グエムル-漢江の怪物-
2008年 シェイキング東京
2008年 ミスにんじん
2009年 母なる証明
2011年 Iki
2013年 スノーピアサー
2014年 海にかかる霧
2017年 オクジャ/okja
2019年 パラサイト 半地下の家族