¥バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版 1987年
再生時間:108分
バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版
あらすじ ※ネタバレあり
バクダッド・カフェに現れたジャスミン
アメリカのモハーヴェ砂漠をドライブしているドイツ人夫婦。2人は夫婦喧嘩をしてしまい、怒った妻ジャスミン(マリアンネ・ゼーゲブレヒト)は砂漠の真ん中で車を降りてしまう。
近くでカフェとモーテルが併設された「バクダッド・カフェ」を経営している夫婦の夫、サル(ダロン・フラッグ)がたまたま一人で歩いているジャスミンを見かけ、乗る?と声をかけるが、ジャスミンは断る。
バクダッド・カフェを切り盛りしているのはサルの妻ブレンダ(CCH・パウンダー)。
彼女は仕事と子育てに追われ、常にイライラしており、店の中で怒鳴り散らしている。
この日もサルがミスをしたことで、サルにがみがみ言ったため、サルは家を出てしまう。
そこへ、ジャスミンがバクダッド・カフェにたどり着く。カリカリしていて客にも怖いブレンダ。
ブレンダにガミガミ言われながらも、ジャスミンはモーテルの部屋を借りることに。客がほとんど来ないモーテルはどこも埃だらけ。
それでも、ジャスミンは翌日以降もバクダッド・カフェに泊まることにする。
きれい好きのジャスミンは彼女の部屋に置きっぱなしにされていた掃除用具を使って、部屋をピカピカにする。
ある日、ジャスミンはブレンダの留守中に、バクダッド・カフェの事務所と倉庫もきれいに片づけて、ピカピカにしてしまう。
それを見て、ブレンダは「勝手なことをしやがって!」と怒り出す。
しかし、意地悪なのはブレンダだけ。ブレンダの娘や息子は優しいジャスミンになつき、徐々にジャスミンと仲良くなっていく。
ジャスミンに子供たちがなついていることが気にならないブレンダはジャスミンに悪態をつく。しかし、その後「言い過ぎた」と言ってジャスミンに謝罪する。
ブレンダとも気持ちが通じ始めたジャスミンはバクダッド・カフェで働き始める。
彼女は手品が得意で、手品を店で披露したところ、それが人気となり、閑古鳥が鳴いていたバグダッド・カフェにたくさんのお客さんが訪れるようになる。
またジャスミンはバグダッド・カフェの近くのトレーラーで生活している老人ルーディ(ジャック・パランス)に頼まれて、絵画のモデルも始めた。
ドイツに帰国するジャスミン
ところが、ある日保安官がやって来て、ジャスミンは労働ビザなしで働いていることとビザが切れていることを指摘されてしまい、仕方なく帰国することに。
ジャスミンが去り、また元のようにどよ~んとした雰囲気に戻ってしまったバクダッド・カフェ。
ジャスミンの再訪
そんな中、突然、バグダッド・カフェにジャスミンが戻って来る。
ジャスミンと入れ替わるように、それまでモーテルの一室を使ってタトゥーショップをしていたデビー(クリスティーネ・カウフマン)は「仲が良すぎるわ」と言って、バグダッド・カフェを去る。
ジャスミンが戻って来て、また活気を取り戻すバグダッド・カフェ。家出していたブレンダの夫サルもバグダッド・カフェに戻って来た。
本格的にマジック・ショーも始めた。そこでルーディはジャスミンにまたビザが切れて、同じ問題が起きるだろう。結婚すればそれを回避できるから、自分と結婚しないか?とプロポーズする。
ジャスミンは「ブレンダに相談するわ」と答える。終わり。
個人的評価
映画の満足度★★★☆☆
感想・レビュー
ディレクターズカット版と劇場版だと内容が違う。はっきり覚えていないけど、劇場版だともっとジャスミンが謎めいていたような気がする。それは置いておいて…
この作品は共に夫婦関係が壊れたジャスミンとブレンダが紆余曲折を経て、2人で新しいコミュニティを確立していく話。
子供と仕事を抱えてギャンギャンなっている細身の黒人女性ブレンダと対照的に、子供はおらず穏やかで、ふくよかな白人女性ジャスミン。アメリカ人とドイツ人で国籍も人種も属性も全然違う2人に友情が芽生える不思議。
全くやる気のない店だったバグダッド・カフェがジャスミンがやってきたことで魔法のように息を吹き返す。
ストーリーについてどうこう言う映画ではなく、雰囲気と空気感を楽しむ映画。誰でも一度は聞いたことがある主題歌「Calling You」によって、すごく素敵な映画になっている。
バグダッド・カフェ
解説
監督P・アドロンが、「シュガーベイビー」に続き、女優M・ゼーゲブレヒトと組んで創った、砂漠に芽生えた女と女の友情の物語。アメリカ、ラスベガスとロサンゼルスを結ぶ道筋にあるモハヴェ砂漠のはずれ。そこにある、取り残された様な寂しげなモーテル“バクダット・カフェ”。ここをきりもりしている黒人女のブレンダは、役に立たない夫、自分勝手な子供達、使用人、モーテルに居着いた住人たちにいつも腹を立てていた。そんなある日、ひとりの太ったドイツ女がやって来るが……。