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【映画のあらすじ l 解説 l 考察 l ネタバレ l 感想 l レビュー】

ルイ・マル監督『ダメージ』は息子の婚約者が自分を選んでくれると妄想した父親の恋物語【ネタバレあり】

ダメージ 1992年

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再生時間:111分

登場人物
『ダメージ』はどんな映画?
※ネタバレあり

息子のクレイジーな恋人に誘われるがまま関係を持ったら、彼女にハマってしまった。妻とは離婚する!と彼女に宣言するものの、彼女は恋人の父親と結婚する気などさらさらなく、息子と婚約してしまう。

仕方なく別れる!と彼女に宣言するも、計算高い彼女が逢引部屋を借り、そこに呼ばれると喜び勇んで部屋に行ってしまい、さっそく息子の婚約者とセックスしていたら、そこへ息子が来てしまい、呆然とした息子が階段の手すりから転落死してしまう。

家にマスコミが押し寄せたため、政府高官の仕事も辞任し、妻にも家から追い出され、ボロボロの服を着て、質素な家に住み、息子と息子の恋人と一緒に撮った写真をデカいパネルにして部屋にかざって眺めている老人になったよと言う話。

あらすじ
※ネタバレあり

ティーブンとアンナの出会い 

マーティンがアンナを実家に連れて行き、父スティーブンと母イングリットにアンナを紹介する。母イングリットはアンナを「彼女j、全然しゃべらないのね。変わった人」とマーティンに言う。

翌日、スティーブンのオフィスに突然アンナから電話が入り、指定された住所へ向かうスティーブン。部屋ではアンナがベッドに座っており、2人とも何も語らず、突然、父親と息子の恋人がセックス開始。

ストーカー化するスティーブン

アンナにハマってしまったマーティンは出張先のブリュッセルから、マーティンとアンナが泊っているパリのホテルへ行き、アンナに電話。マーティンとベッドで眠っていたアンナを呼び出し、路上でセックス。

アンナは「こんなこと初めてなのね。私たちを尾けないで」と言い残して、マーティンの元へ戻る。スティーブンは2人が泊っているホテルに部屋を借り、2人が泊っている部屋を反対側から眺める。怖い。

ティーブンの離婚宣言

イギリスに戻ってから、スティーブンはアンナを昼休みに呼び出し「妻と別れる!」と言い出す。なぜ息子ではなく自分が選ばれると思ったのか…アンナは呆れて「家庭を壊すのは意味がないこと。離婚して何を得るのよ」とスティーブンをなだめる。

予防線を張るアンナ

後日、アンナに指定された日にアンナの家に向かうスティーブン。家にはアンナの古くからの友人ピーターがいた。仕方なくスティーブンは早々に退散し、アンナの家の近くに木の陰に隠れて、ピーターが帰るのを待ち伏せる。そしてアンナの家に行き「あいつは誰だ?」と始まる。

兄の自殺

アンナはアンナが15歳の時に自殺した兄の話を始める。アンナとピーターの親は親同士が友達で、ピーターがアンナを家に車で追ってくれて、2人がキスをしているところを兄に見られてしまう。

激怒した兄はアンナと一緒に寝ようとし、アンナは何とか部屋から兄を追い出す。しかし、兄は何時間もドアの前で詫びていたが、アンナはドアを開けなかった。翌朝、アンナは兄がバスルームで手首を切って自殺したことを知る。バスルームにいる兄に近寄ったせいで血まみれになった寝間着のまま、親はピーターの家にアンナを送り、アンナはピーターはセックスをした。

アンナとマーティンの婚約発表

マーティンの母親イングリットの誕生日に、スティーブン一家はイングリットの実家へ。マーティンはアンナも招待した。イングリットは不機嫌で「アンナが家族の一員みたいじゃない」とスティーブンに愚痴る。

イングリットの実家で、マーティンはアンナと婚約したことを発表する。動揺するスティーブン。その夜、廊下をふらついていたアンナとスティーブンは物置部屋に入り、アンナはスティーブンの股間に顔をうずめる。

2人が物置部屋から出てきて、スティーブンがアンナを部屋に送り届けているところを、ティーンの娘エリザベスに見られてしまう。

アンナの母親の登場

両家の顔合わせのため、アメリカからイギリスにやってきたアンナの母親。彼女はマーティンが今までの娘のタイプとは違うこと、以前は心に傷を負ったような男がタイプだったとペラペラとしゃべってしまう。また、マーティンはアンナの兄に生き写しと言い出し、場を凍り付かせる。

アンナの母親を車で送るスティーブン。その車内でアンナの母親はスティーブンとアンナの関係には気づいていると言い「アンナの人生を邪魔しないで」とスティーブンに強い口調で忠告する。

心を入れ替えようとするスティーブン

翌日、アンナのオフィスに電話するスティーブン。何も言わないで聞いてくれ、別れよう、許してくれと一方的に告げる。

そしてスティーブンはマーティンの会社に行き、冷たい父親だったと突然の謝罪。人生は自分でコントロールできると思っていたが違っていたとボヤく。マーティンはデスクの前に飾っていた、母親の実家で撮ったスティーブン、アンナ、マーティンが映っている写真をスティーブンにあげると言う。

ティーブン、また引っ掛かる

後日、スティーブンのオフィスに郵便物が届く。秘書が訝しげな顔をしながら小包を渡す。この秘書も早い段階から、スティーブンの不倫に気づいている。郵便物には住所が書かれたカードと鍵が入っていた。いそいそと出かけるスティーブン。部屋に行くと手帳があり「金曜日、2時~5時」と書かれたノートが置いてあった。

翌日、スティーブンの家で結婚式の打ち合わせをするアンナ、マーティン、イングリット。スティーブンが帰宅し、アンナと2人きりになったところでアンナはスティーブンに「あなたと会えるから彼と結婚するのよ」とささやく。

マーティンの死

金曜日の2時。部屋で会うアンナとスティーブン。浮足立ったスティーブンは鍵をドアの外に挿したままにしてしまった。2人がセックスしているところへ、住所が書かれたメモを持って、マーティンがやって来てしまう。

ドアに鍵が挿さっているので、そのままそーっとドアを開けるマーティン。目の前では自分の父親と自分の婚約者がセックスしている。

呆然とし、そのままあとずさりしたところ、バランスを崩して、階段の手すりを超えて、1階まで落ちて死亡。全裸で1階に走るスティーブン。全裸のままマーティンを抱きしめているスティーブンを横目に、アンナはアパートを出て行く。

自宅にて

警察に事情を聞かれ、自宅に戻るスティーブン。妻のイングリットが血だらけになっており、理由を聞くと自分を打ったと言う。

イングリットによると、マーティンとアンナが住んでいる家にアンナが借りた逢引部屋のボイラーのことで電話が入り、マーティンがアパートに行ってしまったとのこと。

イングリットは、スティーブンとアンナの関係が出来た時になぜ自殺しなかったの?とスティーブンを問い詰める。続けられると思ったわけ?と聞かれ、スティーブンは間抜けな感じで「イエス」と答える。

イングリットは「あなたは悪人ではない。すぐに自殺すべきだった。そうすれば私はあなたの死を悲しみ、辛さに耐えて埋葬し、涙を流せたわ」と言う。また、イングリットは「私はマーティンを愛していた、マーティンはアンナを愛していた、あなたもアンナを愛していた、アンナは?」とスティーブンに問いかける。何も答えられないスティーブン。

ティーブンは「マーティンは死んだんだ。あの子の死を僕にくれ!」と意味の分からないことを叫ぶ。

アンナを探すスティーブン

ティーブンはアンナの母親の家にアンナを探しに行く。アンナの母親は「警告したはずよ」とスティーブンにきつく言う。アンナの居場所を聞くと、ピーターのところに行ったと言う母親。しかし、スティーブンが隣の部屋のドアを開けると、そこにはアンナが座っていた。スティーブンを見て、アンナは顔をそむけた。

ティーブンのその後

「世の中から消えるのにそう時間はかからなかった」とのナレーション。質素な家で古びた服を着て一人暮らしをしているスティーブンの家には、マーティンからもらったスティーブンとアンナとマーティンの写真をばかでっかく引き伸ばしたパネルが飾られている。

以下、スティーブンのナレーション。
その後、1度だけアンナを見かけた。空港の乗り換えロビーでピーターと一緒にいて、子供を抱いていた。普通の女だった。

『ダメージ』考察

アンナはなぜスティーブンを誘ったのか?

【考えられる理由】

1.結婚に向け、あらかじめ義父を手なづけておこうと思った

2.ただのつまみ食い好き

3.過去のトラウマからか、そもそも頭がイカれている

 

アンナがマーティンを選んだわけ

【考えられる理由】

1.安定した結婚を望んで

2.マーティンが兄に似ていたから

3.自分が浮気性なので、女好きのマーティンだと似た者同士で丁度良かったから

4.単なる成り行き

 

アンナはなぜ逢引部屋を借りたのか?

別れる!と言い出したおっさんがマーティンに2人の関係を暴露することを恐れたから。おっさんを黙らせておくためには、自分との関係を続けさせる必要があったから。

1回セックスしたら、恋人と泊っているホテルにまでやって来てしまう恋人の父親。尾けてこないでと言ったのに、次に会った時は「妻と離婚する!」と言い出す始末。なぜ息子ではなく自分が選ばれると思ったのかは不明。

それをたしなめるも、面倒くさいことになりそうな予感がしたアンナはスティーブンがやってくる時間にピーターを家に呼んでおいたが、おっさん、今度はピーターが帰るまで家の前で張っている…

これはやばいということで、マーティンと急いで婚約するものの、マーティンが突然婚約を家族の前で発表してしまい、おっさんがマーティンに暴露すると困ると思ったアンナはおっさんを物置部屋に連れ込んで口淫。

両家の顔合わせでアンナの母親がペラペラと余計なことをしゃべった上、おっさんが「別れる!」と宣言してきたので、マーティンにバラされると困ると思い、逢引部屋を用意し「あなたと会えるから彼と結婚するのよ」とささやいておいた。しかし、計算外のアクシデントで結婚はパーに。

イングリットは夫を愛していたのか?

No. イングリットにとっては政府高官の妻の座が守られればいいわけで、それ以上の感情をスティーブンに対して持っていない。ただ、自分のプライドを傷つけられるようなことをされるのは許しがたいタイプ。マーティンが死んだあと「なぜ自殺しなかったの?(自殺してれば悲しみに暮れる妻を演じられたのに)」とスティーブンに詰め寄るところからも、それがよくわかる。

だからと言って、夫が息子の恋人とどうにかなろうと思っていい理由にはならないけど。

個人的評価

映画の満足度☆☆☆☆☆

感想・レビュー

 巨匠たちは自分がアラカンになると、おっさんと若い女性の恋愛映画を撮りたがるの法則。このおっさんvs若い女性の恋愛ジャンルを喜ぶのはおっさんだけ。要素要素があまりにおっさんに都合の良く作られていて、全く説得力がない。

おばさんと青年の恋愛物語が面白いか?と考えて面白くない、キモいと思うなら、逆もまた然り。

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ダメージ
解説

「恋人たち」のルイ・マル監督が、J・アイアンズ、J・ビノシュ主演で描いた、愛と官能の不倫映画。大臣の椅子を約束された大物国会議員スティーブン。愛する家族に囲まれて幸せに暮らす彼の前に、突然ミステリアスな女性アンナが現れた。ふたりは一目で惹かれあい、互いの欲望に身を任せ激しく愛し合う。しかし、アンナはスティーブンの息子マーティンの婚約者だった……。

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キャスト・スタッフ
ルイ・マル監督
作品一覧

1956年 沈黙の世界
1958年 死刑台のエレベーター
1958年 恋人たち
1960年 地下鉄のザジ
1962年 私生活
1963年 鬼火
1965年 ビバ!マリア
1966年 パリの大泥棒
1967年 世にも怪奇な物語
1969年 カルカッタ
1971年 好奇心
1974年 ルシアンの青春
1975年 ブラック・ムーン
1978年 プリティ・ベビー
1980年 アトランティック・シティ
1984年 クラッカーズ/警報システムを突破せよ!
1985年 アラモベイ
1986年 しあわせを求めて
1987年 さよなら子供たち
1989年 五月のミル
1992年 ダメージ
1994年 42丁目のワーニャ

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