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映画『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』ケネディ大統領の葬列大行進をプロデュースしたのはジャッキー【ネタバレあり】

ジャッキー ファーストレディ 最後の使命 2016年

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再生時間:99分

あらすじ
※ネタバレあり

ケネディ大統領暗殺後の妻ジャッキーの数日間の様子を描いた作品。ケネディ大統領が暗殺され、ワシントンに戻る大統領専用機の中でのジャッキーから、ホワイトハウス内での様子、ホワイトハウスを次の大統領夫婦に明け渡す様子、世界中から注目を集めたケネディ大統領の葬列大行進に至るまでの様子を、ジャッキーが記者を自宅に呼んで、それらを語る形式でストーリーは進む。

ジャッキーはインタビューに来た記者に、取材メモは自分がチェックすることを承諾させ、取材終了後には記者が書いた取材メモに自ら訂正を入れ、それを記者に社に電話を入れさせ口述させる。

つまりジャッキーは自分が思う通りの記事を記者に書かせたいわけだが、呼び出された記者は真っ向から反対することなく記事を「夫人が見た事実バージョン」としてそれを受け入れる。

ジャッキーが気にしているのは「ケネディ暗殺後のジャッキーの振る舞いが人々にどう記憶されるか?」ということ。

映画自体は、犯人が何をしたのか世間に見せつけるために、血の付いたスーツは着替えないわとか、やれ解剖するの?とか、やれ棺のフタは開けるのか?閉めるのか?とか、墓はケネディ家の墓じゃちっちぇーから、アーリントン墓地の真ん中に埋葬するわとか、リンカーン大統領と同じような葬列大行進をやりたいのとか、ケネディ大統領を撃ったとされるオズワルドが暗殺されて、危ないからやっぱり行進せずに車に乗るわとか、でもやっぱり行進するわとか、ホワイトハウスを追い出されるから、これからどうしよう…とか、まあそんな話。

夫である大統領が亡くなって、急に何者でもなくなる自分に対する不安から、周囲の反対を押し切って、ジャッキーがあの大々的なケネディ大統領の葬列大行進をプロデュースする過程がメインに描かれて行く。

ジャッキー ファーストレディ 最後の使命
考察

セルフ・プロデュースの達人ジャッキー
リンカーン大統領ほどの実績を残すことなく暗殺されてしまったケネディ大統領に、膨大な予算をかけてリンカーン大統領のような葬列大行進をするのはいかがなものか?という意見をスルーして、ジャッキーは葬列大行進の実施を押し切った。

葬列は結果的に、夫を暗殺され、悲嘆に暮れる若く美しい元大統領夫人ジャッキーの印象を世界に焼き付けたとい点では大成功だったと言える。

実際のジャッキーと子供たちの写真 1963年

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故ジョン・F・ケネディ米大統領の葬列を…:ケネディ米大統領暗殺事件 写真特集:時事ドットコム

因みに左の女の子キャロラインは後に弁護士となり、オバマ大統領政権下で2013-2017年まで駐日大使を勤めた。天皇陛下から信任状を受け取る儀式で、すっごいカジュアルな格好をして日本国民をギョッとさせた人。

映画の中でも「子供たちを使うのはいかがなものか?」と指摘されるシーンが出てくるが、ジャッキーは悪者が何をしたのか世界に見せつけてやると言って、 子連れで登場する。

大統領夫人としてのプライド?

ケネディ大統領の生前、大統領の女好きは有名。大統領夫人とはいえ「夫に浮気されてる妻」として世間から見られていることへの屈辱感。

ジャッキーはファッションアイコンとして大人気だったものの、自分ではどうにもコントロールできない夫の浮気による、自らの評価の低下。

プライドの高いジャッキーには許しがたいことであっただろう。そのリベンジのためか、ケネディ大統領の大々的な(リンカーン大統領レベルの)葬列大行進を行い、自分がその主人公となることでマリリン・モンローはじめ、浮気相手とされた女性たちに見せつけたかったのではないかと思う。

「これが大統領夫人の私。あんたたち、浮気相手とは格が違うのよ」と。

 国民にしたら、いやいや税金使ってやってくれるなよ…という話。映画の中でも、ジャッキーはケネディ大統領に浪費癖を指摘されていたシーンが出てくるが、そこでも「知らんがな」の姿勢を貫く。

またジャッキーが司祭と語り合う場面では、ジャッキーが「世の中には2種類の女がいる。世間で権力を欲する女とベッドで権力を欲する女」と語る。

もちろんジャッキーは前者で、ジャッキーにとって大統領夫人であることは自分にとって職業であり、彼女の人生の中で最も輝かしい歴史。今失われそうなその立場を最大限に利用しないのはありえないということだろう。

ケネディ大統領の女癖

1980年代後半に公表されたFBIの報告によると、ホワイトハウスを監視していたFBI当局は在任2年10か月の間に、大統領がホワイトハウス内で親密な関係を持った女性を少なくとも32名リストアップしている。
仲晃 著「ケネディはなぜ暗殺されたか」133-134P

ジョン・F・ケネディ - Wikipedia

ちなみにこのリストアップを指示していたのは「J.エドガー」の主人公である初代FBI長官ジョン・エドガー・フーバー

ケネディ夫人、ジャクリーン・ケネディの性格と晩年

少女時代から自己主張するタイプ

1950年代、良家の令嬢の幸せはお金持ちとの結婚だった時代に卒業アルバムに将来の目標を「社会で成功し、主婦にならないこと」と書いた。それほどに自立心が旺盛だった彼女。上院議員の夫、ジョン・F・ケネディが大統領選に当選しファースト・レディとなっても、ファースト・レディらしく振る舞うことを拒絶し、自分のスタイルを貫き続けた。

https://www.vogue.co.jp/celebrity/quoteme/2018-07-28

妹リーとのライバル関係

リーは常にいちばん綺麗な子、私はいちばん利口な子に見られていたの
4歳違いの妹リー・ラジウィルは、姉よりも可愛らしく社交的な性格で人気者だった。自分が決して整った顔立ちとは言えないと自覚していたジャッキーは、リーにルックスで敵わない分、読書に励んで知性を磨いたというエピソードも。

ジャクリーン・ケネディと妹リー・ラジウィル

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https://www.vogue.co.jp/celebrity/quoteme/2018-07-28

ケネディとの出会い

アートや文学、そして『ワシントン・タイムズ・ヘラルド』のインタビューカメラマンとしての仕事に夢中で、恋愛にはあまり関心がなかったジャッキー。ジョン・ヒューステッドという男性と婚約していたが結婚には迷いがあった。そんなとき、あるパーティで知り合ったのが大富豪ケネディ家の御曹司ジョン。野心に溢れ魅力的な彼にジャッキーは強く惹かれて行く。ジャッキー23歳、ジョンは35歳のときのことだった。

 

何より重要なのは、鋭敏な頭脳があるかどうか、ってこと
新聞社時代の同僚に理想の男性について聞かれたときの答えがこれだ。真面目で誠実な男性よりも、ちょっと危険な香りがしても刺激的で大胆な男性が彼女の好み。そして何より、彼女と同様に頭が良いこと。ジョンはその条件をすべて満たした、理想の男性だった。

Happy Birthday ジャクリーン・ケネディ! 伝説のファースト・レディの誇り高き生き方を辿る名言。 | Vogue Japan

ケネディの女性関係

女関係が派手だった父親を持つジャッキーは、魅力的な男性が色を好むのは当然だという考えを持っていた。だから周囲からプレイボーイのジョンとの結婚を反対されても耳を貸さなかったのだ。けれど結婚してみると彼の女遊びは度を越えたもので、妻も同席するパーティーで他の女性と消えることもしょっちゅう。気位の高い彼女はそれを気にする素ぶりを人前では出さなかったが、耐えられなくなったときにはあえてひとりで旅行に出かけ、夫に依存していないというところを示した。

 

人生は短いから、マリリン・モンローなんて気にしてられないわ
夫ジョンの浮気相手のひとりとして噂となった女優のマリリン・モンロー。ジョンの45歳のバースデーパーティーで「ハッピーバースデー、ミスター・プレジデント」と歌った映像はあまりにも有名だ。ある日、マリリンがホワイトハウスに電話をかけ、ジャッキーに「ジョンはあなたと離婚して私と一緒になるわ」と伝えると、彼女は「あらそう。ではあなたがファーストレディとなってホワイトハウスのすべてを取り仕切るのね」と言い返したという。マリリンはあくまで浮気相手。自分のようなファーストレディが務まる器ではないと、相手にもしていなかったそう。

Happy Birthday ジャクリーン・ケネディ! 伝説のファースト・レディの誇り高き生き方を辿る名言。 | Vogue Japan

全ては妹リーとの戦いのためだった?

ジャッキーがケネディ大統領が暗殺されてから5年後に結婚した、23歳年上の海運王オナシスは、元リーの恋人だったそう。妹から大富豪の老人を略奪するとか…悪趣味すぎる。

ジャクリーン・ケネディが結婚したオナシスは、妹リーの恋人!? 姉妹とオナシスの真実とは|ハーパーズ バザー(Harper's BAZAAR)公式

個人的評価

映画の満足度★★☆☆☆

感想・レビュー 

ジャッキーのセンスの良さは好きだけど、どうもこの人自身を好きになれない。再婚してオナシスが死別するまで婚姻関係があり、遺産はしっかり受け取っておきながら、自分の死後はちゃっかりケネディ大統領の墓の隣に収まってるところとかも。

この人の人生って、妹を筆頭に他の女性との戦いだったんだろうなと思う。「私はあなたたちとは違うのよ」と。

映画でも何度も出てくるジャッキーが自ら出演して、のったりのったり語るホワイトハウス紹介映像とか、虚栄心と自己顕示欲の塊以外の何物でもない。

ジャッキーのホワイトハウスツアー

youtu.be

ダラスでのケネディ暗殺時にも、ケネディの脳みそが飛び散り、ジャッキーが車のトランクの上に乗って逃げようとするのを、あれは逃げようとしたのではなく、肉片を拾い集めようとしていたとか言っちゃうのも往生際が悪すぎる。

自分の目の前で人の脳みそが飛び散れば逃げるのは自然なことだから、変な言い訳する必要ないのに、こういうこと言っちゃう人なんだよな。

根はものすごく俗っぽい人なのに、上品に見せよう見せようとする感じが嫌でどうも好きになれない。

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ジャッキー ファーストレディ 最後の使命
解説

第73回ベネチア国際映画祭最優秀脚本賞に輝いた、ジョン・F・ケネディ元大統領の妻ジャクリーン・ケネディの実録劇。ファーストレディであった彼女が過ごした、ケネディ大統領の暗殺から葬儀までの4日間を活写する。監督は『NO ノー』などのパブロ・ラライン。『ブラック・スワン』などのナタリー・ポートマンがジャクリーンを力演し、その脇をピーター・サースガードグレタ・ガーウィグらが固める。アメリカ大統領史の事件を妻の視点で描く物語に、ナタリーがまとう1960年代のファッションが彩りを添えている。 

解説・あらすじ - ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命 - 作品 - Yahoo!映画

ジャッキー ファーストレディ 最後の使命
公式サイト

映画『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』公式サイト

キャスト・スタッフ

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